格差や貧困の問題が放置されている間に、日本に新しい階級社会がやって来ていた! 身分が固定化し、誰もが今いる階級から滑り落ちる脅威にさらされている。「超人手不足」「就職氷河期」「日本人の横並び意識」──。本特集では、三つのキーワードの相関関係を読み解きながら、1億総転落の新・階級社会の実像に迫る。
今、子どもの貧困問題に心血を注いでいます。ホームレス支援を始めてから20年余り。ずっと大人の貧困に取り組んできて思うのは、自己責任論の強さです。支援する対象が大人だと世間の風当たりは強い。
日本が格差社会へと進み始めたのは1980年代。それ以前の高度経済成長期は機会と教育がある程度平等でした。ところが、バブル期に資産格差が一気に拡大し、その後の不況で賃金格差が広がりました。
子どもの貧困対策として急速に広がっているのが「子ども食堂」だ。しかし、その当事者や専門家たちは、報道やちまたでの取り上げられ方に、少々違和感を覚えているという。
「人並み」を守る意識が最も顕著に表れるのが教育だ。社会での人並みの成功を願う親心は強く、2人に1人が大学へ進学。中流家庭の教育費負担は重く、奨学金利用率は50%を超えた。
貧困層に対してセーフティーネットを用意することは国の役割だ。当然そこにはカネが掛かる。将来、生活保護に頼らざるを得ない就職氷河期世代の潜在リスクを試算した。
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