世界は混沌の劇変時代に突入した。落日の覇権国のトップに立ったドナルド・トランプ米大統領。自国を最優先する彼が指揮する外交の先に待つのは、弱肉強食のパワーゲームなのだろうか。歴史に学びながら、冷徹な現実主義に基づく地政学的視点から世界を読み解いた。
トランプ政権の誕生は、世界の資源地図を大きく塗り替えることになりそうだ。見えてくるのは、米国とロシアが、世界のエネルギー市場を掌握する姿だ。
世界の経済、政治、軍事を動かしてきた覇権国家、米国。その“玉座”に就いたトランプ大統領は前政権までの政策継続性をことごとく否定し、世界が混乱に陥る「ゲームチェンジ」を仕掛ける。
GDPは韓国並み。経済もジリ貧。にもかかわらず軍事超大国としての存在感を強めるロシア。米ロ蜜月となれば、さらなる繁栄を約束されるが、この復権は「期限付き」との指摘もある。
米国と中国、両大国が第一列島線を挟んでにらみ合っている。その間に立たされる日本は、自衛隊で自国を防衛することしかできない。米中が軍事衝突するとき、どう動くべきか。
500年の歴史で既存の覇権国と新たに台頭してきた国が対峙したケースは16回あり、うち12回で戦争に至ったという。確率は実に75%。米中戦争は歴史的必然なのか。
東アジアにおける米軍の安全保障上の関与が低下すれば、中国がさらなる暴挙に出るのではないか。そんな日米の危惧に対し、中国共産党側はどう見ているのか。
時限爆弾が爆発すれば、米中戦争という最悪のケースに至る。ホワイトハウス入りするピーター・ナヴァロ氏の著書『米中もし戦わば』は、そんな可能性を示唆している。
戦渦が絶えない中東世界は、超大国の思惑も絡み、さらなる混迷期に突入することになる。今後の中東情勢をどう読み解けばいいのだろうか。鍵はこの地に栄えた帝国の歴史にありそうだ。
混沌を極める中東情勢は、専門家でさえも状況把握は難しい。そこで、現状をざっくりつかむために必要な八つの知識を紹介しよう。頭に入れておけば、今後の流れも見通しやすいはずだ。
対立が続く米欧とロシア。米新政権下、米ロ協調が実現すれば、状況は一変し、その余波は欧州にも及ぶ。ロシアの“皇帝”の思惑次第で欧州の「世界史」は大きく塗り替えられる。
気高い理想と共に誕生したEUが瓦解のふちにある。加盟国に広がるのは怒りと猜疑心。内部崩壊をもたらす最大のファクターは欧州を牛耳る「ドイツ帝国」の存在だ。
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