購読手続きをすると、有料記事を含むすべての記事をご覧いただけます。 購読は こちら から。
恋人に捨てられ、気になる女性には見向きもされず、非モテな人生をおくる主人公のわたなべ。ある日、恋愛工学と出会い、彼の人生は大きく動き出す……。
ファイナンス、経済学、エネルギー政策に関する著作をもち、リスク・マネジメントの技法を恋愛に応用した『恋愛工学』の第一人者、藤沢数希さんが描く純愛小説「ぼくは愛を証明しようと思う。」の連載がスタート!
僕は最後に大切な人と再会した。僕はこれからどこへ行けばいいのだろうか。僕はすでに答えを知っていた。
カフェではお互いにいろんなことを話した。そして、僕たちは夕日を見に行くことになった。少しずつ距離が近づいていくが、一緒にいられる時間はあと1時間……。
直子との距離は少し縮まったように思えた。僕は彼女のことをもっと知りたくなった。彼女も同じ気持であってくれたらいいけど。僕たちはカフェに来た。
旅先でどこか見覚えのある女性に出会う。この1年の間に学んだ恋愛工学のテクノロジーを思い出しながら、恐怖を振り払って声をかけた。
僕はまるで『アルジャーノンに花束を』のチャーリイのようだった。恋愛工学により何もかも得たと思ったら、全てを失っていたのだ。僕は失意の中、伊豆をひとりで旅行していた。
ナンパとは、所詮は人生の敗者たちがやる行為だ。しかし、同じ人生の敗者なら、女とセックスできる敗者のほうが、セックスできない敗者よりははるかにいい人生を送れる。僕はセレブリティの仲間入りをしていた。
恋愛で大切なことは、ルックスでも金でもない。大切なのは「ハート」なんだ。それを恋愛工学は教えてくれた。
ただ金を持っているだけのボンクラどもが、次々と自動迎撃システムに撃ち落とされるなか、僕は低空飛行でレーダーをくぐり抜け、彼女の領空に侵入する。
この1年間の修行の結果、僕は見違えるような男になっていた。恋愛工学が僕の全てを変えたのだ…。
作家。理論物理学、コンピューター・シミュレーションの分野で博士号取得し、欧米の研究機関で研究職に就いた後、外資系投資銀行に転身。以後、マーケットの定量分析、経済予測、トレーディング業務などに従事してきた。また、高度なリスク・マネジメントの技法を恋愛に応用した『恋愛工学』の第一人者でもあり、人気ブログ『金融日記』の管理人。メールマガジンの『週刊金融日記』も評判で、ツイッターのフォロワー数は現在9万人以上にものぼる。著書に『なぜ投資のプロはサルに負けるのか』『外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々』(以上、ダイヤモンド社)などがある。 藤沢数希 | note 『週刊金融日記』 | note