すてきなお店の店主はすてきなお店を知っている?
平野紗季子(以下、平野) あの、実は今日、紺野さんのTwitterを見て、ツイートをまとめてきたんですよ。
紺野真(以下、紺野) えっ(笑)。
平野 紺野さん、すごくお忙しいのに、いろいろなお店に行ってその感想をつぶやいたりしてるじゃないですか。私、それをいつもすてきだなと思って見ていて。ウグイスやオルガンの話を直接うかがうのもいいんですけど、いい店を作っている紺野さんがいいと思っているお店の話を聞けたら楽しいかなと考えて、最近のツイートをざっとまとめてきました。
イベント会場で配られた、平野さんお手製のプリント
紺野 「ジャズ・ケイリン」とか、本当に昨日行ったばかりですよ(笑)。
平野 ツイートしているのは、ザ・話題店とかではまったくないですよね? このツイートの「喫茶店ポエム」とか、すごく気になりました。
紺野 下高井戸の「コーヒーハウスぽえむ」さんですね。チェーン店なんだけどチェーン店っぽくない、個人経営店みたいな雰囲気があって、日常的に使うにはすごくいいんです。なんか、いい空気が流れてるんですよ。で、つぶやいたら、周りにもぽえむファンがけっこういて驚きました。
平野 へえ〜。なんか、そういう何でもないし、雑誌で大々的に取り上げられるような話題性はないけれど惹かれるお店の、よさってなんなんですかね?
紺野 何ですかね。僕の中では、いいお店って、「オンリーワン」であるお店だなと思っています。
平野 わー! ここにしかない店!
紺野 他の店と違う、そのお店じゃないとだめなところがあるってことですね。で、それが一番出しやすいのって、たぶん「人間」だと思うんですよね。人の模倣はまったく同じにはできないですから。結局のところお店の個性を一番左右するのは人間。料理がたいしておいしくなくてもその店主に会いに行ってしまう、っていうお店は、たくさんあるし、それはお店としてはやっぱりすごいことなんですよ。
築地の頑固オヤジたちを骨抜きにする「やじ満」のサービス
平野 そっか、「替えがきかない」ってすごいことですね。
紺野 それでいうと、ここで挙げてもらったなかに、僕が特にすごいと思っているお店がありますよ。もしかしたら一番行っているかもしれない。この「やじ満」さん。