ビジネス英語というと、だいたい例文集を暗記するとか、シナリオやスキットで会話練習といったイメージです。私がアップルジャパンに勤めていた頃も、外部講師を雇って漠然と会話練習をさせていました。ところが、これといって目立った成果があがらないのです。
私の部署は技術系でしたから、何か商談をするわけでもありません。巷で売られている例文集に出てくるような会話なんて間違っても起きないのです。また、社内用語だってたくさんあります。ですので、巷で供給されているビジネス英語上達方法と、実際の現場で必要とされる英語には大きなギャップがある状態でした。そのため社員側のやる気も起きず、忙しくなると英語のレッスンをスキップしてしまう社員がたくさん出ました。そのため、根本的なところで社員の英語力が伸びなかったりと、なかなか悩ましい問題でした。
確かな効果が出たレポート添削
当時マネージャになったばかりの僕は、どうしたら社員の英語力を高められるかかなり悩んでいました。社内TOEICを受けさせてみたり、上述の英会話レッスンをやってみたりしましたが、どうにも効果が見られず悩んでいました。そこでまず毎週の進捗レポートを英語で書かせ、それらに赤入れをするところからスタートしました。 実際にやってみると、直すところが満載です。文法や単語の選択もさることながら、まず、レポートの構成がなっておらず、一人一人の赤入れに随分時間がかかりました。しかし、毎週やっていればだんだんと板に付いてくるものです。それから、障害レポートも全て英語で書かせ始めました。テンプレートを作り、書き方の講習会なども開きました。こうやって「書く英語」から始めたのは、実に理にかなっていました。みるみるうちにみんなの書く英語が整ってきたのです。