3月第5週の主なできごと
・羽生は銀 日本人初のV2ならず(3月28日)
・黒田凱旋勝利「体続く限り」(3月29日)
・AKB総選挙 こじはる出馬せず(3月29日)
・NHK朝ドラ「まれ」初回 21.2%の好発進(3月31日)
・週刊アスキー休刊 ネット移行(3月31日)
ルミネ謝罪文に隠れた本音とは?
速水健朗(以下、速水) 大炎上したルミネのCMについてだけど、概要としては、ルミネがウェブ用に展開した「働く女性たちを応援するスペシャルムービー」シリーズが女性差別的だと大反感を買い、公開翌日にはムービーを非公開にした。
おぐらりゅうじ(以下、おぐら) まずCMの内容以前に、「働く女性」「応援」がタイトルに並んだ時点で炎上する気配しかない。いまや性別を持ち出して、「働く女性」を特別視することが古くて保守的な考えですから。
速水 CMの内容としては、ボーダーカットソーにトレンチコートでひっつめ髪のヒロインが出社して、会社の前で一緒になった男性社員と会話する。
男性社員「なんか、顔が疲れてんなぁ。残業?」
ヒロイン「いや、普通に寝ましたけど」
男性社員「寝て、それ?」
そこへ、向かいから巻き髪ゆるふわ系の女の子が来て、男性社員は「やっぱかわいいなぁ〜」と彼女にはちやほやする。それでヒロインとは「需要が違う」って言う。
おぐら この「需要」という言葉も完全にアウトですが、さらにそこで説明として出たテロップが最悪でした。
【求められること。この場合、「単なる仕事仲間」であり「職場の華」ではないという揶揄】
もう露悪表現のオンパレードで、悪い例文のお手本みたいな文章です。もはや「職場の華」って差別用語として認定され得るレベルの表現ですが、ネットとか見るといまだに推奨する記事がたくさんあるんですよね。それも執筆者が女性で。
速水 俺は「需要」が問題とは思わなくて、オチのヒロインが「変わりたい、変わらなきゃ」と言う部分だけがダメ派。というのはともかく、いろいろ腑に落ちないところもあるよね。
おぐら そもそも近年のルミネの広告って、ずーっと洋服(=ファッション)と恋愛を過剰に結びつけているんですよ。コピーには「愛される」とか「会えない」とか「脱がせたくなる」とか、あからさまに恋愛対象者の存在を匂わせるというか、もはや恋愛を前提にしている表現が必ず使われていて。ファッションを個人の価値観に基づくものではなく、恋愛の小道具としてしか見ていない。いわゆる「モテ」こそ購買の原動力だと信じて疑わないことが企業理念みたいな会社で。
速水 でもそのコンセプトで売り上げを伸ばしたのも事実だから、響く層が一定数はいるっていうことなんだろうね。
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