原稿用紙にびっしりと書かれた「感想」をもらった
—— アンジュルムとして初のシングル『大器晩成/乙女の逆襲』が2月4日に発売されました。スマイレージから改名して新体制となってまだ数ヶ月、リーダーの和田さんは大変忙しい毎日を送っているのではないかと思います。
和田彩花(以下、和田) ありがとうございます。大学の試験も終わりましたし、今は解放感でいっぱいです! 5月に武道館公演も決まったのも楽しみです。
—— 昨年は、和田さんにとって、さまざまな節目の年だったと思います。グループが新体制になり、20歳になり、ハロプロエッグ(現:ハロプロ研修生)に加入してから10周年を迎え……それらについても後でお伺いできればと思うのですが、今回まずお聞きしたいのが、和田さんの「美術好き」の側面です。昨年は初の書籍『乙女の絵画案内——「かわいい」を見つけると名画がもっとわかる』を刊行されましたよね。出版が決まった時の気持ちを聞かせてください。
乙女の絵画案内 「かわいい」を見つけると名画がもっとわかる (PHP新書)
和田 ずっと美術が好きという話をしていたところに、『乙女の絵画案内』のもとになるWEB連載の話をいただいて、そのことがまず嬉しかったです。連載中に、この企画が本になるからねとは言われていたんですが、その時にはあんまり実感がなくて。もちろんすごく嬉しかったんですが、どうなっていくんだろう……っていうのは正直ありました。
—— アイドルやアーティストの方の連載や書籍はそれなりに見かけますが、こんなに本格的で、だけどわかりやすい美術案内というのはすごいなと思っていました。ファンの方々の反応はいかがでしたか?
和田 WEB連載の時点からたくさん反応をいただいていました。私がブログを更新するたびに毎回、コメント欄にファンの方々が『乙女の絵画案内』の感想を沢山と書いてくれて、それもすごい長文なんですよ。それがすごく嬉しいなと思いました。以前に絵を勉強していた方も多くて、「昔のことを思い出していろいろ書いてみたよ」って。それから、ファンレターの中に『乙女の絵画案内』の感想が書かれていることもあります。もうファンレターというより感想文みたいで、原稿用紙に書いてくる人もいました(笑)。
—— そうしたリアクションを受けて、どのように感じましたか?
和田 私の連載や本を通して絵を好きになった人もいれば、もともと絵が好きだった人もいます。もともと絵が好きだった方々はいろんなことを教えてくれるんです。この絵にはこういう見方もあるし、こんなふうに語られているんだよ、とか。そして、私を通して初めて絵を知った人は、この絵を見た時はこう思ったよと書いてくれるんですよ。私が初めてその絵を見た時の印象とマッチしていたり、ちょっと私と違う見方だったり。人によって見方が全然違うんだなと実感して、それが楽しかったですね。
—— 和田さんご自身も絵画の勉強をしている最中で、絵画を紹介する連載をしていくのは、語り方のバランスも難しかったのでは?
和田 この連載を私がしていいのかなっていうのはすごくありました(笑)。ただ、普通は絵画についての本はすごく難しい言葉で書かれていたりすることも多いですよね。だから私は私の立場でわかりやすく書けばいいんだよというアドバイスをもらったんです。私なりでいいし、いろんな人に向けて読みやすくということを意識していました。
女性画家たちへの共感
—— 『乙女の絵画案内』では、その絵の背景となる知識の説明だけではなく、絵に対する和田さんご自身の想像を添えて紹介していますね。
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