働きながらの子育ての過酷さは並ではない
働きながらの子育ては、睡眠不足上等、自由時間皆無、大量の家事が当たり前の世界です。
一度目の結婚&出産のとき、産後1カ月で仕事に復帰した私には5人のサポーター(ベビーシッター2名、母、妹、夫)がいました。
それでも、仕事から帰って赤子を受け取り、深夜2時間おきの授乳で寝不足になり、ヘトヘトになったものです。
そして、やっと眠れると安堵した明け方、酔って帰ってきて赤子を起こす前夫に対し、けんかだ、離婚だなどの選択肢を飛び越え、当時「明確な殺意」を抱いていました。
〝夫〟という名の使えない大人
「産後クライシス」という言葉をご存じでしょうか?
なぜか産後に夫婦関係が崩れ、離婚にいたるという説なのですが、ベネッセ次世代育成研究所が2006年から2009年にかけて実施した『第1回妊娠出産子育て基本調査・フォローアップ調査』が、妊娠期は「配偶者といると本当に愛していると実感する」に「あてはまる」妻は74・2%いるが、2歳となるとその数字は34・0%となり、約40ポイント減と、夫の妻への思い(約23ポイント減)に比べ、激減しているということを明らかにし、産後クライシスの存在を裏付けました。
女性にとって幸せの象徴であり、人生最大級のイベントである「出産」。
つわりから始まり、体形の変化にとまどい、重い体で不安と闘い、たとえようもない痛みを乗り越え、わが子をこの世に送り出す。
そして、幸せいっぱいにわが子を抱き、新生活を始めます。
すると、そこになぜか「〝夫〟という名の使えない大人がいる」のです。
「あなたは父親なのに、どうして私と同じようにわが子の世話をしないの? 私は産後で体がぼろぼろなのに、どうしていたわってくれないの? セックス? 何言っているの? 私はこんなに寝不足なのに。私の大変さをどうして察してくれないの?」
産後の妻の不満はこれらに集約されます。
これは、ホルモンの仕業(女性らしさを高めるより母親らしさを高めるホルモンが増え、夫への意識より子どもへの意識が強くなるように体が変化する)といわれています。
また、寝不足や肉体的な疲労、子どもにすべて拘束される精神的ストレスに加え、近年では稼げない夫の急増による経済的不安があります。
そのうえで、SNSやブログで他の家庭の夫と自分の夫を比べてしまうなど、さまざまな原因が推測されています。
そして、大変残念なことに、夫という生き物は子育て中の妻を「察する」ということができません。