投資するときは“白いウソつき”かどうかを見る
藤野英人(以下、藤野) 起業を考えている人へ、もしくは起業なんて全然考えていない人に起業を勧めるとしたら、どんなメッセージを送りますか?
元榮太一郎(以下、元榮) そうですね、弁護士って基本的には自分1人で結果を出していれば評価される場合も少なくないのですが、起業は1人では成し遂げることはできません。仲間とともに新しいサービスをつくっていくものなので、人に支えられて自分がいるということをすごく実感できるようになりました。それはきれいごとではなく、本当に、骨身にしみて感じるんです。そういう人生経験ができるという点で、起業は人生修行のいい道場だなと思います。飛び込めば、得難い経験ができるはず。人の痛みもよくわかるようになります。悔しい、悲しいという思いを散々しますからね(笑)。
藤野 全体の9割くらいは、そういう思いをしてるんじゃないですか?(笑)
元榮 はい。だいたいうまくいかないことばかりですから。藤野さんは、投資先候補の方々が事業計画などを話していても、「この通りにはいかないんだろうな」と思って聞いてらっしゃるんですか?
藤野 そうですね、話半分……3分の1くらいで聞いています(笑)。
元榮 では、どういうところを見て判断するんですか?
藤野 僕は、白いウソつきに投資しようと思っているんです。