理念なんかいらない
僕がやっている出版というビジネスは、どんなに苦労して面白い本を作ったとしても、必ずしも結果が出ないことがある。出版に限らず、すべてのビジネスは取引相手や顧客の気分、環境要因に左右され、翻弄されるものだ。こちらが良かれと思って売り出しても、金を払う価値がないと見なされればビジネスは失敗する。
成功と失敗の分かれ目を測る基準は数字だ。何万部本が売れたのか。利益がいくら上がったのか。数字に厳密にこだわるからといって、「あいつは金と利益至上主義に支配されている」と非難するべきではない。
ビジネスの成功を証明する解答はたった一つしかない。自分は圧倒的努力によって、圧倒的結果を出した。そう断言できる根拠はただ一つ、数字だ。数字にごまかしはきかない。逆に言えば、数字を曖昧にする人間はビジネスの成否をごまかしている。