以前、「読書は最善の英語学習法」といった内容の記事を書いたことがありますが、今日は英語を身につける上でもうひとつどうしてもに外せない、「書く」という学習方法についてお話しましょう。
「書く」ことの効果
僕がアメリカの大学に進学して最初に突き当たった壁、それは「書くこと」でした。アメリカの大学ではたくさんの論文を書かせることはよく知られていますが、それがどのくらいの訓練が必要なことなのか、そして自分の英語がどのくらい稚拙だったのか、僕はまったく理解していませんでした。 当時の僕は、曲がりなりにもアメリカの大学に進学を果たしたくらいなので、TOFELでそこそこの点数を取っていたわけです。しかし当時のTOFELには、「書く」問題がなかったのです。ですから僕は筋だった英文を書いたことなど、一度もありませんでした。書いたことがある英作文といえば自己紹介ぐらいとか、近況報告のお手紙ぐらいのものです。多分一度に100ワード以上は書いたことがなかったでしょう。 ところが大学で要求されるのは、文通レベルの作文ではありません。最低10ページ、2500ワード。そういった感じの課題が毎週のように出ました。論旨を立てて、それが伝わるようきちんと筋立てて書く。これがどれほど訓練を要することなのか全く分かっていませんでした。初めて論文を提出した日、教授に呼び出され、「学校にWriting Resource Center というところがあるから、そこで赤入れしてもらってから提出しなさい」と論文を返されたことを、今でも鮮明に覚えています。