前回、グーグルの運営する位置情報ゲーム「Ingress」が日本でブームになりつつあることと、その理由の1つに、日本では70年代から注目されてきた「都市の中に散在する意味ありげな存在」、すなわち都市の歴史的蓄積の痕跡への可視化があるのではないかというお話をしました。
現在、グーグルはこの壮大な仮想現実ゲームを、完全無料で提供しており、今後ユーザーへ課金する計画もアナウンスされていません。とはいえ、この調子で世界中のユーザー数が増えていけば、システム負荷も莫大なものになります。どこかで収益を生み出さなければなりません。
グーグルがイングレスをどのようにして収益化するのか、またそれがビジネスにどのように影響するのか、今回は少し考察してみたいと思います。
位置ゲーの収益は「店や交通機関への集客」?
イングレスは、携帯基地局やGPSなどによって得られる端末の位置情報を利用したゲーム、通称「位置ゲー」と呼ばれるカテゴリーに属します。
ほかにもさまざまな位置ゲーがありますが、有名なのは米Foursquareと日本の「コロニーのある生活」(コロプラ)でしょう。なかでもFoursquareは世界で5000万人以上のユーザーを抱える、世界最大の位置情報アプリです。