山内宏泰
ルーヴルの作品が海を渡ってやってきた!——国立新美術館の「ルーヴル美術館展」
東京・国立新美術館で開催中の「ルーヴル美術館展 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」では、あのパリにあるルーブル美術館からごっそり作品が渡ってきています。フェルメール、レンブラント、ブーシェといった西洋絵画史における大スター達が描いた「日常」の絵画たち。それらが私達に教えてくれるものとは何なのでしょうか?
芸術作品を何か思い浮かべてください。そう言われたら、多くの人が真っ先に挙げるのは絵画ですよね。まさにアートの王道。あまりにも当たり前の存在なので、深く考えたりもしませんが、そもそも絵画って何を描いているものなのでしょう。
人物や風景、そういう対象物を、ありありと浮き上がらせることが主眼でしょうか。それは大いにありますね。王妃の美しさや、絶景としか言いようのない山河を、余すことなく伝えてくれるものとして。またはもっと純粋に、色やかたちのおもしろさを指し示し、その愉しさを教えてくれるものだとも考えられます。画面いっぱいに色彩が乱舞していたり、描線に視線が誘導されていくのを観ると、何が描かれているのかはともかく、わたくしたちはうっとりしてしまいますからね。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。
8550
false
この連載について
山内宏泰
世に“アート・コンシェルジュ”を名乗る人物がいることを、ご存じでしょうか。アートのことはよく知らないけれどアートをもっと楽しんでみたい、という人のために、わかりやすい解説でアートの世界へ誘ってくれる、アート鑑賞のプロフェッショナルです...もっと読む
著者プロフィール
ライター。美術、写真、文芸その他について執筆。著書に『写真のフクシュウ 荒木経惟の言葉』(パイインターナショナル)『写真のフクシュウ 森山大道の言葉』(パイインターナショナル)『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』(星海社新書)『写真のプロフェッショナル』(パイ インターナショナル)『G12 トーキョートップギャラリー』(東京地図出版)『彼女たち』(ぺりかん社)など。東京・代官山で毎月第一金曜日、写真について語るイベント「写真を読む夜」を開催中。東京・原宿のスペースvacantを中心に、日本写真を捉え直す「provoke project」開催中。
公式サイト:http://yamauchihiroyasu.jp/