2月第1週のおもな出来事
・サッカー日本代表アギーレ監督の解任を発表(2月3日)
・テレ朝収録でヘリウムガスを吸いアイドル倒れる(2月4日)
・ガラケー出荷、6年ぶりに増加「根強いファン」(2月4日)
・ヨルダン空軍パイロット焼殺か 映像公開(2月4日)
・18歳選挙権法案、再提出へ 来年参院選実施目指す(2月6日)
戦争になっても日本人は大喜利をやる
速水健朗(以下、速水) 今回も前回に続いてイスラムの話だけど、今年はイスラム国よりも先に「シャルリー・エブド」襲撃事件が大きく報道されてたんだよね。これも重要な事件だった。
おぐらりゅうじ(以下、おぐら) フランス全土で反テロと犠牲者を追悼するデモが行われ、総勢370万人が参加したと報道されました*1。
*1 社説:パリ200万人行進 暴力許さぬ連帯示した - 毎日新聞
速水 デモ行進では、どんな表現であれ、それを発表する自由は守られるべきだという主張が「JE SUIS CHARLIE(私はシャルリー)」というフレーズで掲げられた。表現の自由を巡る問題って、日本でも、ろくでなし子氏の逮捕やネトウヨによるヘイトスピーチの問題として議論されていたよね。
おぐら フランスは、シニシズム(冷笑主義)の国というか、風刺漫画のような表現に価値を見出している国民性だと一般には言われていて、パリ在住の辻仁成は「風刺漫画という文化になれてない日本人的には理解できない感もある」とツイートしていました。
速水 それ以上に、偶像崇拝が禁忌であるというイスラムの側の考え方も、僕ら日本人には理解しにくいよね。アラーやムハンマドを風刺することより、漫画として絵に描く、偶像化することそのものへの攻撃という側面が強い。
おぐら ただ日本では、新聞や雑誌の誌面における風刺漫画のようなシニシズムは根付いていなくとも、ネット上でクソコラは盛り上がるという、もはや冷笑とは別のベクトルで奇妙な文化が発達しています。
速水 「ISISクソコラグランプリ」! イスラム国の人質事件の時の話ね。後藤さんと湯川さんと覆面のイスラム国兵士が立っている写真のコラージュ作りが盛り上がった。
おぐら ここぞとばかりに佐村河内氏や小保方氏をネタにしたコラージュが出回って、完全に内側へ向けたおふざけネタが乱発していました。
速水 こちらも考え得る限り、かなりシリアスな事件なわけだけど、ネタとして消費する姿勢はぶれない。
おぐら あの現象を見て素朴に思ったのは、今の日本人なら、たとえ日本が戦争になったとしても、ふざけてネタにするんじゃないかって。
速水 開戦大喜利、あるね。茶化しちゃいけない領域って、まあないんだろうな。
おぐら 「赤紙キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!」とか「マジで赤すぎワロタwwwwww」みたいな。
速水 絶対そうなるよ。自撮り棒を持って戦場に行こうとする奴が続出とかね。
おぐら 戦場にスマホは持って行くでしょうね。それで、まずは電波とWi-Fiを探すところから。
速水 スマホ見ながら行進したりね。
おぐら 絶対勝てなさそうです。
偶像崇拝が禁忌のイスラム国に記号と偶像で立ち向かう
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