「当初は独自に地図データを買っていた。でも、世界中の地図を一気に手に入れることは無理だった。地域ごとに縮尺も違うし、年代もバラバラ。地域によっては20~30年前の古い地図しかないこともあった」
日立建機の松田富士夫IT推進本部業務改革推進部長は、そう振り返る。同社は、世界中にあるショベルカーやクレーンなどの自社製建設機械に、機械情報を収集するセンサーとGPS通信機器を装着し、リアルタイムでデータを吸い上げて、地図上で一元的に状況を把握する「グローバルeサービス」というシステムを運用している。
製品情報自体は120万台分が登録されているが、古い機械も含まれているため、センサーや通信機器によって位置情報まで管理されているのはおよそ2割。現在、社員だけでなく代理店にも公開し、100カ国で6万4000人が利用している。