去る1月17日、SF作家の平井和正氏が76歳で世を去った。
簡単に経歴を紹介すると、平井和正は、1938年、神奈川県横須賀市生まれ。中央大学法学部在学中の61年、SFマガジン編集部が主催する第1回空想科学小説コンテスト(ハヤカワ・SFコンテストの前身)に応募した「殺人地帯」で奨励賞を受賞。翌年、SF同人誌〈宇宙塵〉掲載の「レオノーラ」がSFマガジンに転載され、商業誌デビューを飾る。63年、少年マガジン連載の漫画『8マン』(桑田次郎作画)の原作を担当、TVアニメ版の脚本にも参加。68年、第1長篇『メガロポリスの虎』、第2長篇『アンドロイドお雪』を刊行。
71年、人狼・犬神明を主役とするSFハードボイルド《アダルト・ウルフガイ》シリーズからスピンオフした《ウルフガイ》シリーズの第1作『狼の紋章』を文庫オリジナルで発表。中高生の絶大な支持を集め、爆発的ベストセラーとなる。
79年、小説版《幻魔大戦》シリーズを開始。83年には劇場アニメ化も実現し、シリーズ総計で2000万部を超えるヒット作に成長する……。
僕は1961年生まれなので、人生でほぼ最初に見た(記憶のある)TVアニメが「エイトマン」(1963年~64年放送)だったという世代。小学校6年のとき初めて買ったSFマガジン(1972年8月号)には、平井和正原作、石森章太郎作画の『新幻魔大戦』が連載されていた。
中学校に入ると、そこから遡って『メガロポリスの虎』『アンドロイドお雪』『サイボーグ・ブルース』を読み、『エスパーお蘭』『悪夢のかたち』『悪徳学園』『虎は暗闇より』と短篇集を漁ることになるが、その話はまたいつか書くことにして、ここでは、作家・平井和正とのファースト・コンタクトに話を絞りたい。