こんにちは。外科医の雨月メッツェンバウム次郎です。
1月も半ばになって、寒い日が続いていますね。皆さん風邪などひいていらっしゃらないでしょうか。インフルエンザも猛威をふるっており、このインフルエンザ流行マップを見ても全国的に流行していますね。
予防方法は、「人ごみに行くときはマスクを着ける」「外出後は手洗いうがい」ですので皆様お気をつけて。
ところで先日、風邪をひいてしまった友人にこんなことを聞かれたんです。
「こないだ風邪を引いて病院に行ったら、聴診器で胸の音を聴かれたんだけど、アレってなにを聞いてるの?てゆーか本当に聴いてるの?」
皆さんもお医者さんにかかって、胸の音を聴かれた経験、ありますよね。
そこで今回は、聴診器でお医者さんがいったい何を聴いているか、そんなお話をしたいと思います。
聴診器っていろいろ種類があるのですが、ドクターが使っているものはたいてい「Littmann」というメーカーの、大体2万円くらいする結構高価な代物です。私は普段は持ち歩いていませんが、外来診察室や病棟など、病院のあちこちに置いてあるので困りません。
だいたい内科のドクターは持ち歩いていることが多いですね。外科医はあまり持ちません。
で、この聴診器。少し試してみるとわかるのですが、ものすごく音が良く、大きく聴こえるのです!聴診器をつけて、大声を出されたら鼓膜がカンタンに破れそうなくらいです。それくらい精密な道具なんですね。
これで「聴診」つまり体の中の音を聴いて診察を行います。
だいたい風邪なんかで受診した患者さんには全員、胸の聴診をします。服を脱ぐか上げてもらい、まずは「呼吸音」です。これが「パリパリ」とか「ごそごそ」とか聴こえると、肺炎っぽいな、とか推測します。
なんだかアナログだし、それほど最新の技術が使われていないひと昔前の道具な気がしますが、実はお医者さんはかなり重宝しているのです。
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