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一文、一段落、一章で伝えたいことは一つに絞る
「文章を短くする」「ストレートに書く」と合わせて意識すべきなのが「言いたいことを一つに絞る」です。
まず全体を通して伝えたい「最終結論」は、一つに絞るべきです。それだけではありません。「章」で言いたいことも一つに絞るべき、その「段落」で、その「一文」で伝えたいことも一つに絞るべきです。
なぜ一つに絞るべきなのか? それは、伝えたいことを一度に複数詰め込むと、読み手は混乱し、何が言いたいのか分からなくなってしまうからです。その結果、文章が「分かりづらい構造」になってしまいます。
単純な例で説明すると、このようなイメージです。
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普段は和食を食べているが、今日の昼食は久しぶりに洋食を食べたので、夜は軽めにするつもりだ。
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この文章には、「久しぶりに洋食を食べた」と「夜は軽めにするつもり」の2つが入っています。これを「ひとつずつ」に分けます。
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普段は和食を食べているが、今日の昼食は久しぶりに洋食を食べた。
そのため、夜は軽めにしておくつもりだ。
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同じように、一つの段落に「和食が好きな理由」と「夜は食事の量を少なめにしている」という内容が入っていたら、段落をわけ「ひとつずつ」にします。
また、ひとつの章に「食事と健康の関係性」と「日本食のメリット」が入っていたら、章を分けて「ひとつずつ」にします。
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具体的論点(最終結論)●● ←伝えたいことを一つに絞る
第1章×× ←この章で伝えることを一つに絞る
段落1 食事と健康の関係性・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ←この段落でひとつ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・。 ←この一文でひとつ
段落2 日本食のメリット・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ←この段落でもひとつ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第2章◇◇ ←この章でも伝えることを一つに絞る
段落3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ←この段落でひとつ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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一文、一段落、一章で伝えたいことは一つに絞りましょう。そして、少し違うことをいいたい場合は、「文を分ける、段落を分ける、章を分ける」を徹底しましょう。
独立させるには内容が薄い場合は?
「章」を独立させるほど書く内容がない場合もあるでしょう。「日本食のメリット」をひとつの「章」にするには書きたい内容が少なすぎる、という場合は、「食事と健康の関係性」の章に「補足」として組み込みます。
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第1章 食事と健康の関係性
段落1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・。
段落2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
段落3 なお、日本食は~~というメリットがあります
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ←補足として組み込む
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