杉本彩 /牧村朝子
牧村朝子、杉本彩に人生相談をする【後編】
杉本彩さんと牧村朝子さんの対談最終回。「エロスの女王」という肩書に最初は重荷を感じながらも、使命を持って活動されているという杉本彩さん。レズビアンだということを公言し、性のあり方で悩んでいる人の心を軽くしたいという使命を感じている牧村さんが、杉本さんに折り入って相談したいこととは? (構成:小池みき)
「レズビアンのタレント」としての重圧と、結婚
杉本 事務所に所属して3年たって、今一番自己評価が厳しくなる時期じゃないかと思うんだけど、どうなの?
牧村 自己評価の揺れ続けた3年でしたけど、それが一段落したところだと思います。私は2年前、女性が好きであることを世間にカミングアウトして、「レズビアンのタレント」として活動することになったわけですけど、その時はとにかく、「私は正しいことを世の中に伝えていかなければいけない存在なんだ」って思っていたんですよね。世の中の人はみんなレズビアンを誤解しているから私が説明しなければ、という考えでものすごく長いブログを書いたり……。
杉本 肩に力が入っていたのね。
牧村 そうなんです。でも妻と一緒に暮らしてみて、一緒にご飯を食べて、遊びに行って、喧嘩をして……。なんてことのない普通の時間を過ごしただけなんですけど、女性同士で愛し合うことって全然特別なことじゃないんだな、ってことがようやく、言葉だけではなく経験でストンと腑に落ちたというか。
杉本 パートナーを得てわかることってたくさんあるわよね。私も、今の結婚をしたおかげで本当の自分に気づかされたもの。というより、本当の自分でいていいんだということが心から納得できたのね。もちろん、「いい結婚」だったからだけど。
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この連載について
杉本彩 /牧村朝子
牧村朝子さんが「性のあり方」にかかわるお悩みに答える人気連載「女と結婚した女だけど質問ある?」。今回は特別企画として、女優・杉本彩さんがゲストとして登場! 牧村さんの所属事務所オフィス彩の代表であり、「女の性のあり方」についての発信を...もっと読む
著者プロフィール
タレント、文筆家。2010年、ミス日本ファイナリスト選出を機に芸能界デビュー。2012年渡仏、フランスやアメリカでの取材を重ねる。2017年独立、現在は日本を拠点とし、執筆・メディア出演・講演を続けている。夢は「幸せそうな女の子カップルに"レズビアンって何?"って言われること」。出演『ハートネットTV』(NHK総合)ほか、著書『百合のリアル』(星海社新書/2017年、小学館より増補版刊行)『ハッピーエンドに殺されない』(青弓社/2017年)ほか。愛称は「まきむぅ」。
女優、作家、ダンサーとして幅広く活躍。1987年、東レ水着キャンペーンガールでデビュー。TV「ウリナリ」(NTV系)に出演し、芸能人社交ダンス部メンバーとして多くの大会に出場、入賞を果たす。2004年に公開された主演映画「花と蛇」の演技で邦画界に衝撃を与えた。近著に恋愛エッセイ「いい男の愛し方」(朝日新聞出版)。2010年新会社「株式会社リベラルライフ・クリエーション」を設立、実業家としての顔も持つ。