100兆ドルのお札はいくら?
岡田 初めまして。今日は、経済に詳しい山形さんに、お金のことをもう根掘り葉掘り尋ねたいと思っているんですよ。僕は20代の頃、大阪でアニメグッズの店を経営したり、ガイナックスというアニメ制作会社の社長をやったりしていたんですが、経済というやつがさっぱりわかりません。お金だって、銀行に預けるか、タンス預金でいいと思っています。
新聞では経済政策がいいとか悪いとか、ビジネス誌では投資がどうとか金融商品がどうとか、言っていますよね。でも、ビジネスに成功法則があるのなら東洋経済新報社やダイヤモンド社の社員は全員大金持ちだし、効果のある経済政策なんてものが存在するなら、頭のいい奴を集めた国から順番に景気がよくなっているはずでしょう?
そうなっていないということは、経済政策に意味なんてあるんだろうか? 投資で成功なんて嘘なんじゃないだろうか?
僕たちは、毎日何時間もテレビや新聞で、そういう嘘や占いのような経済について聞かされなければいけないんでしょうか?
山形 いきなり、でかい話から始まりましたね(笑)。
岡田 山形さんは、海外の経済書をたくさん翻訳されていますが、本業でも経済に関わられているんですよね。
山形 はい、発展途上国への経済援助についてのコンサルティングを行っています。例えば、向こうの国が「電力網を整備したい」「橋を造りたい」というのであれば、その使い途が適切か、適切ならどういう仕組みを作ればいいのかということを調べてアドバイスするわけです。その関係もあって、今日はすごいお土産を持ってきました。ちゃんと使えた本物の外国紙幣ですよ。さあ、持ってけ!
岡田 うわ、ものすごいゼロの数ですね! 千、万、億……。