「タダ」で参加できるパリの娯楽
みなさん、こんにちは。いよいよ10月に突入しましたね。
パリでは恒例のファッション・ウィークなるものが開催されて、それはそれは奇抜なファッションを身に纏った業界人がオシャレスポットに出現していました。パリでは気合いを入れてオシャレを楽しむ人って少ないので、ふだん見かけない変わったファッションはすぐに外国人だとわかるのです。
さて、この連載も10回を超えました。オシャレなファッション雑誌やテレビ等が絶対に伝えないようなパリの素の事情を語ってきてしまいましたが、この連載を読んでパリで暮らしてみたいと思うようになった方がいたら嬉しいです。でも、パリって生活するのにお金がかかりそう……と思っている方かもしれないですね。信じられないかもしれませんが、私のパリ生活は、人生でこれまでないほどお金を使っていないんです。貧乏だから頑張って節約している……というのもありますが、それだけではありません。パリでは無料の文化イベントがたくさんあり、お金をかけずに娯楽を味わうことができるからなのです。
パリでは一年を通して、一般市民向けの無料イベントがたくさん開催されています。今回はそのなかでもおすすめのイベントの一つを紹介しようと思います。
それは「Journees du patrimoine」(文化遺産の日)です。
牢獄からピカソまで……文化遺産もりだくさん
文化遺産の日(公式サイト)は、もともと1984年にフランスで始まり、今ではヨーロッパの50 カ国で開催されているほど広く浸透しています。
どんなものかというと、普段は見学できない歴史的文化的な建物などが一般に無料で公開されるというものです。例えば大統領官邸、駅舎、図書館、大使館、テレビ局などを見学できます。そして、毎年「今年は珍しく○○が公開される!」と、パリジャンたちが注目する目玉スポットがあります。
今年の大きな目玉は「La Prison de la Santé」(サンテ刑務所)と呼ばれる牢獄。 1867年に建てられた牢獄です。ご存じではないかもしれませんが、有名作家や、あの怪盗ルパンもストーリ上で投獄された場所ということで有名です。入場は人数制限ありの予約制で、2時間で予約が埋まる程の人気だったらしく、テレビ番組でもその様子を放送していました。他にも毎年人気の大統領官邸などは、予約制でないけれど朝の6時から並んで待つ行列ができるほどなのです。
牢獄見学をしている人たちのようすをうつしたテレビ番組
毎年9月の第三週末に開催されるこのイベント、今年は 20日(土)と21日(日)の週末に実施されました。そこで、私はずーっと見てみたいと思っていたある場所に行ってみました。
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