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あなたは、自分がまだ言葉を覚えたばかりの小さい頃、何をしゃべっていたのか知っていますか?
わたしは数年前まで、フランスで日本語保育を提供する託児所で働いていました。0歳~3歳児を預かるその託児所では、子どもが言葉を覚えていく過程をたくさん目にしました。
その中でも、特に忘れられないエピソードがあります。今回は読者の方からのご投稿と、そちらのエピソードを合わせて、「自分は、自分の言葉に操られていないだろうか?」ということを振り返っていきたいと思います。
私は、「人が言葉を操る」から「言葉が人を操る」に逆転した瞬間を見ました。
なぁなちゃん(仮名)は2歳の女の子。動物の絵本が大好きです。各ページの動物を指さしては「きりんさん!」「ごりらさん!」「らいおんさん!」と名前を叫び、「よくできたね」と褒められてニコニコしていました。
ぽてぽてと教室を歩き回り、なぁなちゃんは絵本の動物さんだけではなくみんなの名前を指さし確認していきます。
「るいくん」
「まりちゃん」
「じゅりなちゃん」
……そして最後は、自分を指さして誇らしげにこう言うのです。
「なぁなちゃんよー!」