マレーシアは、バブル景気の真っ最中らしい。
ホテルの窓から外を見ると、すぐ眼下には高速道路が通り、向かい側には建設中のビルが何軒も見える。こんな感じの景色が、首都クアラルンプールのあちらこちらで見られる。これほどたくさんのビルを造ってしまって、果たして入居する人がいるのだろうか?とこっちが心配になるくらいだ。
至る所にショッピングモールがあり、どこもかしこもお店でぎっしりなのだ。日本のお店もたくさんある。資生堂、ユニクロ、ダイソー、伊勢丹、紀伊国屋、イオン……。アメリカ資本のお店も実に多い。店舗だけ見ていたら、ここがマレーシアなのか東京なのか、はたまたサンフランシスコのモールなのか区別がつかない。そしてどの店も、それなりに繁盛しているのだ。
時折ヤケに豪華な意味のない置物がある店があったりする。装飾のケバさが、まるでバブル期の日本なのだ。この売り場面積を無駄に占有する鹿とかいったいどうよ?
他にもライオンなどがいましたが、段々目が慣れてきてインパクトを受けなくなったので写真は割愛。
開いていないドーナツ屋
ところが、である。バブル期の日本とは全然違う一面がある。バブルの頃の日本は「24時間働けますか〜〜!」などという勇ましい歌が流れ、ワタミ元会長も真っ青な勢いだったのだ。過労死はその頃から問題だった。だが、マレーシア人たちにそんな労働観念はない。路線が何本も乗り入れている大きな駅中のドーナツ屋が朝10時からしか開かないのだ。開いていないのは別にドーナツ屋だけじゃない。早朝のラッシュアワー時には人があふれているというのに、ほとんどの店が閉まっているのだ。マレーシア人が過労死をする心配は、まずないだろう。