「考える」ことが大切だと何度も書いている。子供のときには、考えることは、勉強しているときに多かったのかもしれない。それで、多くの人が、勉強することが考えることだと勘違いしている。
たとえば、本を読んだり、授業を受けたり、そういった「学び」が大切だ、というふうに誤解されている。僕が「考えた方が良い」と言っているのは、それとはまったく違う。
学びというのは、情報を受け取ることである。つまり、なんらかの知に触れて、そこから自分に必要なものを得る、という行為だ。これは、ものを食べるのと同じであって、書物は食べ物であり、そこから得られる知識は栄養のようなものだ。
しかし、考えることは、そのような「得る」行為ではない。むしろその逆で、自分から発する行為なのだ。これは、運動に似ている。頭脳を使って、エネルギィを消費する。だから、考えるとお腹が減るし、また、考えると知識を欲しくなる、という意味での空腹も感じるだろう。
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