僕は、昔のアニメを、インターネットの動画サイトで見ることがあります。
それは、日本語や英語ではなく、これまで聞いたことのない外国の言葉で放送されています。耳慣れない言語に、最初は違和感がありましたが、何度も繰り返し聞いているうちに、僕もその国の言葉がつかえるような気分になります。
すると、日本語で見ていた時と同じように、どきどきわくわくしながらアニメそのものを楽しめるのです。言葉の意味はわからなくても気にならなくなるのでしょう。
言葉がなじんでくるという感覚は、外国に行ったことのある人なら誰もが体験したことがあると思います。
誰にも気持ちをわかってもらえなかった頃、僕は、まるで暗い洞窟の中にいるように、ただ寂しかったです。
話ができなければ、人からは言葉がわからないと判断されます。そして、話しかけてもらえなかったり、自分とは違う世界の人のように見られたりしてしまいます。
僕にとって家族の声かけは、光そのものでした。言葉というものは、長い時間をかけて育てていくものではないでしょうか。
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