松井博
劣等感でつぶされそうなあなたへ
劣等感って誰しもが持つ感情です。決してそれが悪いわけでもない。でも、気をつけないと、競争の無限ループへとあなたを引き入れる怖いものです。どうやって劣等感と付き合えばよいのか、そんなことを考えてみました。
まだ、アップルで社内政治に明け暮れていた頃のこと。僕は、なんだかいつも疲れきっていました。長時間労働だったし、注目される会社でそれなりに責任のある立場だったし、おまけに他言語で毎日社内政治だからかと思っていました。でも振り返ってみると、なんか当時のあの疲労感の原因は、もっと違うところにあったような気がする今日この頃です。
偶然いい仕事をしたあの頃
僕は、2002年にアップルジャパンから本社へ転属しました。そして、渡米直後にiPod Miniの開発に関わることになったのです。アップルで秘密プロジェクトに関わると、普段とは全く違った指揮系統に組み込まれて仕事をするはめになったりします。直属の上司さえプロジェクトの内容を知らされません。そんなこと、支社では絶対にあり得なかったので本当に驚きでした。こうして僕は、ひょんなことから副社長と直接仕事をする機会に恵まれたのです。
5663
false
この連載について
松井博
現在、IT革命によって世の中の仕組みが急速に変わりつつあります。産業、政治、就労、コミュニケーション…… 影響を受けない分野はありません。未来はどうなっていくのか、こうした時代が私たちにどんな選択を迫ってくるのか、元アップル管理職の松...もっと読む
著者プロフィール
作家・経営者。2009年まで米国アップル本社勤務。著書に『僕がアップルで学んだこと』、『企業が「帝国化」する アップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔 』、『10年後の仕事のカタチ10のヒント シリコンバレーと、アジア新興国から考える、僕達の仕事のゆくえ』などがある。現在はクパティーノで保育園事業も手がける。
Twitter: @Matsuhiro
ブログ: まつひろのガレージライフ
Facebook: 松井博