歯学部の学費値下げが進行している現状については前回の記事で触れたが、ヒートアップする値下げ合戦には「かつて高額な学費でぼろもうけして内部留保をため込んだ大学ほど値下げしやすい」(大学関係者)といった声もある。なりふり構わぬ薄利多売が、一部の私大歯学部では経営戦略となっている。学生や教育の質を確保するという意識は二の次なのである。
ある歯科大の首脳は、他大の授業現場を訪れた際、歯学教育の惨状を目の当たりにして息をのんだ。上位私大である自身の大学の教室は常に満席で活気もある。歯学部教育の質低下が世間で騒がれることに反発してきた。