カメラ携帯の普及により、誰しも日ごろ、撮影したりされたりするからでしょうか。それとも、たいていは何かはっきりした被写体が写っていて分かりやすいからでしょうか。アートのなかでも、写真を使った表現は、ひじょうに親しみやすくて人気がありますね。篠山紀信やアラーキーこと荒木経惟、蜷川実花に梅佳代と、広く知られている写真家もたくさんいます。
そんな裾野の広い写真表現を常時紹介しているのが、東京・恵比寿駅から徒歩で行ける東京都写真美術館。ここで現在開催されているのが「路上から世界を変えていく 日本の新進作家vol.12」です。気鋭の写真家5人によるグループ展のかたちをとっています。
申し合わせたわけでもないでしょうが、それぞれの作家たちはそろって、写真という枠はどこまであるのか。その枠は壊してもいいんじゃないか。もっと拡張させられないかといったことを、必死に探っているような作品を展示しています。ひと通り巡ると、「これもあり?」「そうか、こういう手もあるんだ」。写真の可能性は、ふだん考えている以上に広いんだと気づかされます。写真にかぎらず、ああ表現って自由なのだなと、改めて思い至ります。