森美術館、国立新美術館と並んで、「六本木アートトライアングル」の一角を担っているのが、東京ミッドタウン内にあるサントリー美術館です。海外からビッグネームの作品を運んできて、派手な大型展を連発する森、国立新に比べると、知名度や注目度では多少の見劣りがするでしょうか。それでもサントリー美術館は、日本美術の粋を見せるという方針のもと、常に好企画の展示をしているのです。ぜひ忘れずチェックのほどを。
現在開催中の展示も、他ではなかなか見られないものですよ。「天上の舞 飛天の美」展というタイトルです。サブタイトルには、「平等院鳳凰堂平成修理完成記念」とあります。そう、宇治の地に建つ国宝・平等院鳳凰堂は、ここのところ大修理を敢行中でした。
しばし堂内が観覧中止となっているあいだ、堂内を彩っていた彫像が、大挙して東京へと飛んできていたのです。寺外では初公開となる《阿弥陀如来坐像光背飛天》や《雲中供養菩薩像》などが、展示室にずらりと並んでいます。これらはどちらも国宝指定されているもの。堂に収まっているときはそれほど近くで見るわけにもいかないので、これは貴重な機会ですよ。
《阿弥陀如来坐像光背飛天》平安時代、天喜元年(1053) 京都・平等院蔵
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