電話を切り、メールを開けると、先ほどの口頭での説明と共に、ユクタビ総合メディカルクリニックの場所案内が載っていた。そこは、駅から徒歩で十分程度の場所にあるらしく、ホームページを見てみるとそれなりに綺麗な病院で十階建ての建物とある。だが、診療科目等を
私の風体は、いつもは汚い短パンと
緑のカーゴパンツに縒れていないティーシャツに上着のパーカー。髭も
スクリーニング前日。石黒から再び電話がかかってきた。明日の最終確認と共に、注意事項を守っているかどうかの確認。絶食の厳守と睡眠を十分に取ることの念を押された。
スクリーニング当日。夜行バスで新宿駅に到着。石黒の言う、「睡眠を十分に取ってください」との確約は、いとも簡単に
朝の新宿駅は閑散としていた。石黒の言った「睡眠を十分に」は守れなかったが、絶食は守っていたためにかなりの空腹状態であった。いつもなら夕食という名の朝食を食べる時間だからだ。集合時間は十時。駅を抜けると、一軒のコーヒーチェーンが目に飛び込んできた。時間を見ると、午前七時少し前。時間をつぶすために私は迷わず入店し、アイスコーヒーを注文した。
「十分な睡眠と絶食を守ってください。検査に影響しますから」
石黒の言葉をふと思い出したのだが、手持ち無沙汰がつらい。どうせ血糖値を計るだけだから、ガムシロップ抜きならば良いと思ったのだ。喫煙席に移動し、アイスコーヒーと共にタバコを吸う。禁煙も反故にした私。「別に影響ないでしょ」って感じで。
無意識の内に、フレッシュを入れたまでは良かったのだが、ガムシロップのシールを開けたとき、自制が働き、フレッシュだけのアイスコーヒーを