まるでAV女優にするような面接のような対談、開催
二村 こんにちは。岡田さんの連載を、いつも本当に楽しく読まさせていただいております。
岡田 ありがとうございます。
二村 ある日のこと、cakes代表の加藤さんが「二村さんが、あの岡田育さんにインタビューというか面接というか、いろいろ恋愛とかエッチなことも含めて聞き出すという企画はどうでしょう」と思いついたわけです。
岡田 なるほど、そこだけ聞くとひどい編集長ですね(笑)。
二村 だいたい加藤さんという人は、前にも書きましたが、あるバニーガールさんが僕の前で自分の恋愛や人生について話しながら号泣しだしたのを近くで見てからというもの僕のインタビュー能力を過大評価しておられ、ようするに本当は彼が訊きたいけれども恥ずかしくて訊けない話を僕を使って岡田さんから引き出したいわけですよ。そんなひどい企画を正々堂々と後ろを見せずに受けてくださった岡田さんの男気に僕は感動しています。
岡田 むしろ私の話なんか聞いて本当に面白くなるんですかね……? 自信ないです。今回「AVの面接みたいなことをする」と趣旨のご連絡をいただいたときは、「あぁ、よくビデオの冒頭に出てくるアレだな」と思ったんです。ベッドがある部屋のソファなんかに座って、カメラ目線の女の子がひたすら質問を受けるという。でも、あれってフィクションというか、後の展開を盛り上げるためだけのものじゃないんですか?
二村 あ、よくご存知で。たしかにアレはフィクションといえばフィクションです。ギャラが高額な女優さんの場合ほど、撮影前にインタビュー内容もセックスの内容も決めて台本をマネージャーさんにチェックさせることになってますから。
岡田 やっぱりそうですよね。本当のことを喋っちゃうと、女優さんも身元バレとか心配ですもんね。
二村 だから女優さんはインタビュー収録前に何を訊かれるか、セックス収録前に今日はどんなセックスすることになるのか、だいたい知ってるわけなんですが、でも、こちらとしてはそれでもなんとか予定調和じゃないものを撮りたいじゃないですか。それで撮影の数日前に打ち合わせと称して、本当の面接というかに本当のインタビューをしておきます。マネージャー同席ではあるんですが、そこでなんとか打ち解けておいたり、訊きにくいことを先に訊いておけると、なぜか本番で(表面的には、やること訊くことが台本通りだったとしても)なまなましいものが撮れるんです。
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