​本当の街の姿を見極める

「渋谷は若者の街」という言われ方をよくしますが、1日30万人以上が出入りする街はそんな単純ではないようです。街の本当の姿を見極めるにはどうしたらいいか? bar bossa店主・林伸次さんが考えます。

地元でお金を使わない吉祥寺の富裕層

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

普段は自転車移動が多いのですが、雨などでタクシーを使う時は、なるべく運転手さんと話すようにしています。僕からよく質問するのが、街によってお客さんがどう変わるのか?ということです。

東京の場合、わかりやすいのが「歌舞伎町で乗ってくるお客様で、たまにすごく困る方がいる」と答える方、本当に多いです。まあ、なんとなく想像つきますよね。街によって乗ってくる人って色々と違いそうです。

僕はそういう街によって変わる客層に興味がありまして、以前飲食関係者に聞いた話で、「吉祥寺はパスタが1500円、コーヒーが800円といった価格帯にすると難しい」というものがありました。

理由を聞いたところ、人って「自宅の近所ではあまり高い金額は払いたくなくて、自宅から遠く離れた場所では高い金額を払ってもいい」という心理があるそうなんです。わかりますよね。観光地にいくとちょっとくらい高くても出してしまうし、海外旅行なんて行ったらケチケチせずにお金を使ったりします。

それが吉祥寺の場合、吉祥寺周辺に住んでいる人たちは比較的富裕層が多いのだけど、近所ではあまり高いものにお金を使わず、青山や銀座に行ったら気にしないのだそうです。面白いですね。

他にも、例えば僕のお店がある渋谷ですが、おそらくほとんどの人が渋谷は「若者の街」というイメージだと思います。それもその通りだとは思いますが、24年間渋谷でバーをやってきた人間としては、渋谷は「カルチャーの街」なんです。

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林さんの小説が文庫化されました

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この連載について

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ワイングラスのむこう側

林伸次

東京・渋谷で16年、カウンターの向こうからバーに集う人たちの姿を見つめてきた、ワインバー「bar bossa(バールボッサ)」の店主・林伸次さん。バーを舞台に交差する人間模様。バーだから漏らしてしまう本音。ずっとカウンターに立ち続けて...もっと読む

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コメント

bung010 自分が旅行先で酒場へ行くのもこういう「街の姿」を知りたいからもある。林さんのこの連載、cakes終了で読めなくなるのが残念。 https://t.co/z3XzzpHYOl 2ヶ月前 replyretweetfavorite

datadisk_tokyo 街が人を作るのか、その逆も然りなのでしょうか、面白い。 2ヶ月前 replyretweetfavorite

__comfort__ 本当の街の姿を見極める|林伸次 @bar_bossa | 2ヶ月前 replyretweetfavorite

bar_bossa 東京や渋谷の話しです。 本当の街の姿を見極める|林伸次 @bar_bossa | 2ヶ月前 replyretweetfavorite