ベートーヴェン「笛の音も歌も聞こえないなんてなんという屈辱」

歴史に名を残す人物たちも、実は「愚痴」をこぼしながら生きていた! 渋沢栄一から夏目漱石、豊臣秀吉にナイチンゲールまで、人生の苦境で言わずにおれなかった愚痴150篇。女性への未練、お金の無心や仕事の焦り、家族への恨みなど現代人と変わらない不平不満です。読めばなぜか勇気がわいてくる、愚痴ノンフィクション! 10月21日発売の近刊『人間愚痴大全』より特別公開します。(提供元:小学館集英社プロダクション)

30代、不遇・人生にまつわる愚痴

ベートーヴェン(作曲家)

1770年-1827年。ドイツの作曲家。ボンに生まれ、ウィーンに移住した。バッハ、モーツァルトと並び称される音楽史上最高の巨匠。『英雄』『運命』『第九』など9つの交響曲のほか、協奏曲・ピアノソナタ・弦楽四重奏曲などに傑作を残した。

致命的な持病に悩み続けた天才

「楽聖」とも称される天才音楽家ベートーヴェン。その彼が、音楽家としては致命的ともいえる難聴を患っていたことは、現在、多くの人々に知られている。しかし、当時の彼は、その事実を隠し続け、それゆえに一層苦悩を募らせていた。弟たちに送った手紙の中に、彼は病と治療に当たった医師たちへの愚痴を書き綴った。

「無能な医者たちのため容態を悪化させられながら、やがては恢復するであろうとの希望に歳から歳へと欺かれて、ついには病気の慢性であることを認めざるを得なくなった

私の脇にいる人が遠くの横フレーテ笛の音を聴いているのに私にはまったく何も聴こえず、だれかが羊飼いのうたう歌を聴いているのに私には全然聴こえないとき、それは何という屈辱だろう

そして、難聴に悩まされているという「弱点を人々の前へ曝け出しに行くこと」ができなかったベートーヴェンは、「人々から孤り遠ざかって孤独の生活をしなければならなくなった」という。

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なぜか、勇気が出てくる。不平不満の150篇。

人間愚痴大全

福田 智弘
小学館集英社プロダクション
2021-10-21

この連載について

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なぜか勇気が出てくる 人間愚痴大全

福田智弘

「今日も飯はうまくない」「アルコールでごまかすより外なかった」 天才と呼ばれる作家に芸術家、世界を変えた政治家に勇猛な武将まで、歴史に名を残す人物たちも、実は「愚痴」をこぼしながら生きていた! 渋沢栄一から夏目漱石、豊臣秀吉に...もっと読む

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