50代、不遇・人生にまつわる愚痴
ルソー(思想家)
1712年-1778年。フランスの思想家、文学者、音楽家。スイス、ジュネーブの生まれ。『人間不平等起源論』『新エロイーズ』『社会契約論』『エミール』『告白』など各種の書籍を著し、「近代の父」「ロマン主義の先駆」とも称された。
人間不信と被害妄想に苦しんだ思想家の告白
18世紀フランスの偉大な思想家ルソーは、50代になって書きはじめた自叙伝『告白』の中で、右に挙げた
「私の誕生は、私の不幸の第一歩」
という言葉を語っている。どういう意味だろうか。
実はルソーは、生まれるとほぼ同時に母を失っている。出産が母体に悪い影響を与えたらしい。
「私は母の生命を犠牲にすることになった」
と、ルソーは書いている。ルソーに罪がないとはいえ、出産と同時に母を亡くすというのが大きな不幸であったのは間違いない。しかしそれが不幸の「第一歩」とはどういうことだろうか?