​アナログレコードの売上が急増している理由

最近アナログレコードの売上が急増しています。CDの売上が激減しているなか、なぜアナログレコードが売れるのでしょうか? その理由を、20年以上に渡ってずっとお店でレコードを掛け続けている林伸次さんが考察します。

CDの売上が激減している今、なぜアナログレコードなのか?

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

いきなり質問ですが、アナログレコードってご存知ですか? ある年代以上の方は当然知っていると思いますが、最近はCDも触ったことがないという若い人も出てきているようです。

実は、今もアナログレコードは売れ続けています。ある調べによると、2021年のアナログレコードの売上は、前年比1.7倍くらいに伸びたそうです。どうしてこんなにアナログレコードが、いつまでも売れ続けているのでしょうか。

僕、1988年頃からCD、レコード屋で働いていたので、この動きはずっと現場で見ていました。僕が覚えている限り、最初はCDがそんなに普及するとは誰も思っていなかったんですね。すごく小さいし、プラスチックのケースに入っているし、なにより「ちょっと偽物」っぽい雰囲気があったんです。

それが、1986年辺りからCDに乗り換える人たちが増えてきました。CDラジカセが出てきて視聴環境が整ったこと、過去の入手困難だった洋楽アルバムが安く再発され、音楽ファンがそれに飛びつき始めたことを記憶しています。

そして90年代は、CDの黄金期になります。80年代はレコードを買うのって、「お金に余裕がある人の趣味」だったんです。自宅に安いレコードプレイヤーはあるんだけど、みんなレコードは買わなくて、友達からレコードを借りて、カセットテープにダビングしたり、FMから録音したカセットテープで音楽を聞いていました。

それが、CDが登場してからは、安いCDやレンタルCDが出てきたし、あるいは学生の部屋にも自分だけのCDラジカセを置けるくらいハードが安くなったりして、みんなが気軽に音楽を聞ける時代になったんです。その分、90年代は音楽業界がすごく潤いました。

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林さんの小説が文庫化されました

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この連載について

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ワイングラスのむこう側

林伸次

東京・渋谷で16年、カウンターの向こうからバーに集う人たちの姿を見つめてきた、ワインバー「bar bossa(バールボッサ)」の店主・林伸次さん。バーを舞台に交差する人間模様。バーだから漏らしてしまう本音。ずっとカウンターに立ち続けて...もっと読む

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コメント

pole_wired アナログレコードの売上が急増している理由 https://t.co/XDt7c5oQjL 誠に残念ながら、ある種の手頃な投機対象になってしまっている側面もあるように思う。重ねて言うが、残念だ。 3ヶ月前 replyretweetfavorite

yu_anohianotoki アナログレコードの売上が急増している理由 #SmartNews ・ ふむふむと思いながら読みました。 #レコード https://t.co/iPDBGQHB9e 3ヶ月前 replyretweetfavorite

hana_kozakura アラフォーの私ですらアナログレコードの音が記憶にない世代だけと、bar bossaに聴きに行きたいな。 アナログレコードの売上が急増している理由|林伸次 @bar_bossa | 3ヶ月前 replyretweetfavorite

Yopikochume アナログレコードの文化。「ちゃんと作られているモノには、それに見合ったお金を払おう」という価値観。素敵だなあ。大事だなあ。 アナログレコードの売上が急増している理由|林伸次 @bar_bossa | 3ヶ月前 replyretweetfavorite