“口に入る”カトラリーは食事の満足度に直結する
ナイフやフォーク、スプーンなどを総称してカトラリーと言います。毎日の食事に欠かせないものですが、当たり前にありすぎて意識されにくい存在でもあります。
料理について考えるとき、手に取り、口に入れるカトラリーも無視できません。極論をいえば100円均一で買ったスプーンや、使い捨てのプラスチックスプーンでも食べることはできます。しかし、食べやすさや満足感などには違いがあるはずです。
心理学者のチャールズ・スペンスさんが面白い実験をしています。彼は150人の参加者の半分には食堂などで使われる軽いカトラリーを、残りの半分の参加者には重くて高価なカトラリーで食事をしてもらいました。結果は重いカトラリーを使った参加者は料理の盛り付けを芸術的に感じ「明らかに高い対価を払うことに前向きになった」そうです。*
重いほど高級感があるが家庭で使うには…
一般的にカトラリーは重いほど高級で、安価な製品は軽い傾向があります。高級店では重いカトラリーを使う意味がありますが、家庭では重いものは扱いにくいでしょうし、毎日の食事にはそぐわないでしょう。かといって、あまりに軽い製品は満足感に影響するため避けたいところ。
また、スプーンやフォークは料理にも使います。なかでも一番活躍するのは「味見」です。僕が働いていた調理師専門学校では料理用として1本1万円以上するクリストフル(フランスを代表する銀器メーカー)のスプーンを使っていました。たしかに使いやすいですし、なによりいいカトラリーは味見の邪魔をしません。安価なカトラリーは金属の味がして、料理の味を損ねる場合があるので、やはり避ける必要があります。
カトラリーを選ぶポイントは価格の他にもあります。例えばスプーンは凹みの深さが重要です。あまりに浅いと食べ物をすくいづらいので避けましょう。フォークは先端が細く、ある程度の長さとカーブがないと、食べ物が刺しづらいので注意しましょう。ナイフは持ったときに先端と手元の重さのバランスがとれていることも重要です。
どれも持った時の手触りが厚すぎず、薄すぎず、軽すぎず、重すぎないもの、そして縁が滑らかに研磨されている製品を探すことになります。一般的に安価すぎる製品はそれなりの作りですが、高価だからといって使いやすいわけではないのが難しいところ。
おすすめは350円で買えるあのブランド
僕が普段使っているのはこちら。