味が決まらず、ぼんやりする」の解消法

自炊料理家の山口祐加さんが、これから自炊をはじめる人、はじめたばかりの人に向けて、自炊のコツと楽しみ方をお伝えするこの連載。第4回のテーマは「味付け」です。調味料を足して濃くなってしまったり、調節すればするほどイマイチになってしまったりと難しい印象がありますが、構造を理解できれば意外と簡単にできるはず。味付けの基本を身につけていきましょう。

こんにちは、自炊料理家の山口祐加です。日々の自炊を楽しみながら続けていくコツをお伝えする連載、第4回のテーマは「味付け」です。

どんな料理でも必ず通る道が「味付け」です。鶏肉の照り焼きなら甘辛味のタレ、サラダならドレッシングなど、市販品で売っている調味料を使うのも良いですが、自分で自由自在に、好きな味に味付けできたら楽しいはずです。料理の味付けは濃くなってしまったり、逆に薄くて何を足してもイマイチだったり難しい印象があるかもしれません。けれど、味付けの構造を知れば、なんだこんなに簡単なのか!とスッキリするはずですよ。

さて、本題です。私は味付けの基本は「塩分を足す」だと思っています。塩はもちろんのこと、日本人なら馴染み深い醤油や味噌にも塩が入っています。私の料理教室では、だしのことを説明する際にまずかつお節でとっただしをそのまま飲んでもらいます。だしだけを飲んだ感想は「香りが良い、癒される」などです。その後に塩と少しの醤油を足して「お吸い物」として飲んでもらいます。そうすると「とってもおいしい!」と、頭の上にまるで「!」が見えるような顔をされます。塩を足すことでぐっと味が引き締まり、料理らしくなる。これが味付けの基本です。

定番の味付けを押さえよう

新鮮な野菜や肉は、茹でたり焼いたりして味付けは塩や醤油だけで十分おいしいです。肉や野菜など食材を組み合わせて料理するときは、味付けの定番組み合わせをいくつか覚えておくと便利です。

例えば、

・だし:醤油:みりん=8:1:1

煮物の基本と言われる煮汁の配合です。だしの割合を6にして、少し濃いめに仕上げる場合もあります。これを応用すれば、煮物や煮浸しなどが簡単に作れます。割合さえ覚えておけば、あとは使う食材の量に応じて全体の量を調整すればいいのでレシピいらずです。

・醤油:みりん:酒=1:1:1

こちらは照り焼きや生姜焼き、煮魚などに使われる割合です。醤油を味噌に変えると味噌煮になります。割合を覚えておくことで、今日は少し甘めにしようかなと思えば砂糖を足したり、薄味のものがいいと思えば醤油を少なくしたりといった、アレンジも可能です。

・油:酢:塩=3:1:少々

こちらはドレッシングの割合です。油はオリーブオイルやサラダ油、ごま油などを使います。オリーブオイルを使えば洋風に、ごま油を使えば中華風になり、香りで味付けの方向性が決まります。酢は普通の米酢や穀物酢以外に、レモン果汁なども爽やかな風味が加わるのでおすすめです。塩分は塩で十分ですし、和風にしたいときは少し醤油を加えるとより香りが立っておいしくなります。この割合は魚のカルパッチョにも使える味付けです。

料理酒、みりんはなんのためにある?

上に記したように和食に欠かせない「料理酒」と「みりん」ですが、意外となぜ入れているのかわからないまま使っているケースがよくあります。ざっくり説明すると、料理酒は肉や魚の臭み消しと素材を柔らかくする役割、みりんは米由来の上品な甘みとつや出しのために使われます。 肉の下味で使われるのは酒であり、みりんではありませんよね。醤油が使われる料理で相棒のように登場するのはみりんです。みんな大好きな甘辛味は醤油とみりんの黄金コンビによって成り立ちます。このように「なぜこの調味料を入れるのか」を理解していると、料理の解像度がぐっと深まり、他の料理にも応用が利きやすくなります。

料理酒はものによって2%ほどの塩分が添加されている商品があります。こちらを使った上でさらに塩や醤油を加えると味が濃くなりすぎるため、塩が入った料理酒を使う場合は他の塩分を加減しましょう。レシピ本を見ると冒頭の注意書きに「この本では清酒(普通の日本酒)を使用しています」などと書いてあるので、確認してから作ってみるといいですね。

また、みりんがない場合は、かすかに味は変わりますが料理酒と砂糖で代用ができます。大さじ1のみりんが必要な場合は、料理酒大さじ1と砂糖小さじ1を混ぜればできあがりです。

味付け迷子になってしまったら

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楽しくはじめて、続けるための 自炊入門

山口 祐加

自炊料理家の山口祐加さんが、これから自炊をはじめる人、はじめたばかりの人に向けて、自炊のコツと楽しみ方を紹介します。「自炊をはじめるにあたって最低限おさえておきたいことを知りたい」「はじめてみたけど疲れるし、楽しくなくて続かなさそう」...もっと読む

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