こんにちは、自炊料理家の山口祐加です。この連載は楽しみながら自炊を続けていく方法について全8回の連載でお届けするシリーズです。第2回は、「好きな食材で料理をシンプルにおいしく作る」をテーマにお届けします。
自炊につまずいてしまう人の悩みには、主に
・作るのが大変すぎてやめてしまう
・家にあるもので適当に料理を作ることが難しく、毎回レシピ通りに食材を揃えてからでないと料理ができない
・毎回中途半端に食材が余ってしまい、使いきれない。ゆえに出来合いを買ったほうが早いと思ってしまう
などがあると思います。
そんなお悩みの方におすすめしたいのが「少ない食材で簡単においしく作れる」料理です。時間も手間もかからないのに、ちゃんとおいしい料理ができるの?と思いませんか。これが、ちゃんとできるんです。
それに加えて「自由に食材を選んで料理が作れるようになる秘訣」もあわせて教えます。自分の好きな食材を使って、シンプルでおいしい料理を作れるようになるためには、料理の「構造」を知るところから始めましょう。
構造を知ると、料理は自由になる
世の中に存在するあらゆる料理は、「食材×調理法×調味料」の方程式で説明ができます。例えば、
・生姜焼きなら「豚肉と玉ねぎ×炒める×醤油とみりん」
・サラダなら「トマトときゅうり×生(和える)×酢と油と塩(ドレッシング)」
・味噌汁なら「油揚げとわかめ×煮る×味噌とだし」
と説明ができます。
なぜ方程式に分解すると良いのか。それはレシピという具体例ではなく、もう少し抽象度をあげた構造で理解することで、料理を自由に捉えられるからです。
先ほど生姜焼きを「豚肉と玉ねぎ×炒める×醤油とみりん」と説明しましたが、「炒める→煮る」に変えることで「豚肉と玉ねぎの甘辛煮」になり、ご飯の上に乗せれば豚丼です。
他には、味付けを変えて「オイスターソース味」にすれば、中華の炒め物になります。もちろん、食材を変えても新しい料理ができますよね。豚肉を「鶏肉」に変えれば、鶏肉の生姜焼きができて、いつもと違う味になります。鶏肉の生姜焼きはとってもおいしいんですよ。
豚の生姜焼き単体としてレシピを覚えると、材料が売っていなかった時や、味付けに飽きてしまった時にまた新しいレシピを探すことになります。構造を知り、抽象的な理解をしておくことで、その都度「玉ねぎを長ねぎに変えてみよう」「みりんがないから、砂糖でやってみよう」などの応用が利きやすくなります。