バイキング』が終わる

今回は4月1日で放送が終了する『バイキングMORE』について取り上げます。司会者やコメンテーターたちが作る決まりきった流れに抗う、アンガールズ・田中卓志の振る舞いとはどのようなものなのでしょうか?

林修・梅沢富美男・坂上忍が並んでいた

2018年、人気番組をいくつも終わらせたフジテレビが、「変わる、フジ 変える、テレビ」とのキャッチコピーを打ち出し、そこに林修・梅沢富美男・坂上忍の顔写真を並べた新聞広告を見た時、「自分はまだそれなりにテレビを見ているのに、すっかりテレビを見なくなった人から『テレビってオワコンだよね』と言われやすくなるからやめてほしい!」と強く思った記憶がある。「もう変わるつもりはありません」ならば、生存戦略として大いにアリだと思うのだが、「変わります」という宣言と逆行する並びに動揺を隠しきれなかった。

昼食を食べながら、『バイキング』にチャンネルを合わせてきたが、今週で『バイキング』(現在は『バイキングMORE』)が終わる。坂上忍の言説については、もはやネットニュースで接する人のほうが多いのかもしれないが、彼の話法というのは、最初から自分の言いたいこと・持っていきたい方向を固めておき、そこにいるコメンテーターや専門家に話をふり、多様な意見を引き出しつつも、最初から決めていた方向に帰結させる展開が多い。

ルール設定も自分、ルール破壊も自分

これは、彼に限らず、そしてワイドショーに限らず、全体を仕切る人がハッキリしているテレビ番組で起きやすい現象。周囲の意見をひっくり返すだけで、決して毒舌ではないのにもかかわらず、「強いことを言ってのけた」という雰囲気が作られやすい。同意も反意もコントロールできる立場の人が、その場のルールを崩しているように見せているだけ、という場面は多い。ルール設定も自分、ルール破壊も自分。坂上忍はそれをよくやっているのだが、なぜだかタブーなしで言いたいことを言っていると素直に受け止める人が多いままだった。コメンテーターに中堅芸人が多いこともあり、司会者が進みたい道を察知して、道を整えたり、あるいは妨害したりもするのだが、一定の心地よさ・やりやすさを提供していた。

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武田砂鉄責任編集。多量記事で多角的に、「TBSラジオ」を物語る。

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ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

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