​政府に規制されて進化してきたお酒の話

今回の「ワイングラスのむこう側」はお酒のお話です。古今東西お酒は、権力者から規制されたり、高い税金をかけられたりしてきました。その目をかいくぐろうとして、様々な進化を遂げてきたのです。

ドイツに残る世界最古の食品に関する法律

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

お酒って、どんな時代でもどんな地域でも、国が管理したり税金をとるんです。それが原因で、お酒自体が変わっていくっていう面白い現象があります。

例えば、今でも使われている食品関連の世界最初の法律「ビール純粋令」っていうのがドイツにあります。これは、ビールを造るには「大麦とホップと水」だけしか使ってはいけないというものなんです。

当時、ビールにはホップ以外にも、例えば生姜を入れたりしていました。生姜を入れたビールは、イギリスではジンジャーエールと呼ばれます。ちなみにこのジンジャーエールは後にノンアルコールの方が大ヒットして有名になったので、今ではジンジャーエールはノンアルコールドリンクということになっていますが、元々は生姜のビールなんです。

話を戻しまして、「ビールは大麦だけ」って決めたのにも理由があります。当時は小麦のビールが人気があったんです。ベルギーの小麦を使った白ビールってありますよね。あれはとても飲みやすくて今でも人気です。だから、当時もみんなが小麦のビールを造ってたのですが、そうなると彼らの主食であるパンの原料がなくなってしまうから、ドイツでは「大麦だけ」って決めたというわけです。実は抜け穴もありまして、当時の王室保護下の醸造所でのみ小麦のビールの製造も許されていて、王室はその収入で儲かったというわけです。

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林さんの小説が文庫化されました

ケイクス

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ワイングラスのむこう側

林伸次

東京・渋谷で16年、カウンターの向こうからバーに集う人たちの姿を見つめてきた、ワインバー「bar bossa(バールボッサ)」の店主・林伸次さん。バーを舞台に交差する人間模様。バーだから漏らしてしまう本音。ずっとカウンターに立ち続けて...もっと読む

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コメント

lavieenrose_mg 政府に規制されて進化してきたお酒の話 #SmartNews https://t.co/qZHjlrnNho 3ヶ月前 replyretweetfavorite

kingdomofnot ごく真っ当な話/文章だが、ストロング系チューハイを「薬」と書いててつい笑ってしまった https://t.co/vwymH36X6U 3ヶ月前 replyretweetfavorite

kazubo1 政府に規制されて進化してきたお酒の話|林伸次 @bar_bossa | 3ヶ月前 replyretweetfavorite

AizuLover 政府に規制されて進化してきたお酒の話|林伸次 @bar_bossa | 3ヶ月前 replyretweetfavorite