ドイツに残る世界最古の食品に関する法律
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お酒って、どんな時代でもどんな地域でも、国が管理したり税金をとるんです。それが原因で、お酒自体が変わっていくっていう面白い現象があります。
例えば、今でも使われている食品関連の世界最初の法律「ビール純粋令」っていうのがドイツにあります。これは、ビールを造るには「大麦とホップと水」だけしか使ってはいけないというものなんです。
当時、ビールにはホップ以外にも、例えば生姜を入れたりしていました。生姜を入れたビールは、イギリスではジンジャーエールと呼ばれます。ちなみにこのジンジャーエールは後にノンアルコールの方が大ヒットして有名になったので、今ではジンジャーエールはノンアルコールドリンクということになっていますが、元々は生姜のビールなんです。
話を戻しまして、「ビールは大麦だけ」って決めたのにも理由があります。当時は小麦のビールが人気があったんです。ベルギーの小麦を使った白ビールってありますよね。あれはとても飲みやすくて今でも人気です。だから、当時もみんなが小麦のビールを造ってたのですが、そうなると彼らの主食であるパンの原料がなくなってしまうから、ドイツでは「大麦だけ」って決めたというわけです。実は抜け穴もありまして、当時の王室保護下の醸造所でのみ小麦のビールの製造も許されていて、王室はその収入で儲かったというわけです。