プロがすすめるバターはこれ! おいしい食べ方と保存方法も教えます

今回は樋口さんが「料理にとって特別な存在」と語るバター。少量加えるだけで料理にクリーミーさとコクが加わり、味をグレードアップできるのが特徴です。そんな素晴らしいバターですが、樋口さんがイチバンに選んだのは伝統ある、あの商品でした。アツアツご飯と一緒に食べるときのコツも教えてくれました。

バターは料理にとって特別な存在

「樋口さんのレシピにはよくバターが出てきますね」とよく言われます。意識したことはないのですが、そうかもしれません。バターは料理にとって特別な存在です。油脂の一種ですが、調味料でもあります。少量加えるだけで料理にクリーミーさとコクが加わり、味をグレードアップできます。

例えば朝食のパンにバターをのせるだけで堪えられないおいしさですが、その理由はバターの性質にあります。バターは15℃付近で塗りやすいやわらかさになり、30℃までは溶けません。口に入れると体温で溶け、ふくやかな味と香りが広がります。

バターは大まかに約80%の乳脂肪分と1.2〜1.3%の乳固形分、それに17%前後の水分で構成されています。他の油脂と違って水分が含まれているので、加熱してもフライパンの温度が上がりすぎませんし、乳固形分=乳糖とたんぱく質が含まれているので香ばしい香りも出ます。これらの性質は他の油脂では見られないもので、バターが特別な食材である理由の一つです。

有塩と無塩、どう使い分けるか

さて、スーパーにバターを買いに行くと、パッケージに「有塩」と「無塩」という表記があるはずです。よく料理やお菓子づくりには無塩、そのまま食べるには有塩と言われていますが、僕は料理にも有塩バターを使うことが多いです。

日本で売られている有塩バターは約1.5%くらいの塩分が含まれています。例えば10gのバターで玉ねぎを炒めるとすると0.15gの塩分が加わる計算になります。通常、野菜を炒める時は、少量の塩を加えるとペクチンが溶けやすくなり、加熱が早く進みます(料理の世界では調理の最初に加える塩を〈味出しの塩〉と呼んだりします)。最終的な塩の量を調整する必要はありますが、有塩バターを使うとその手間が省けるので、具合がいいからです。ただし有塩バターには一つ注意する点があり、それは後ほど説明します。

他に高価な発酵バターもあります。発酵バターは原料の生クリームを少し発酵させてからバターにしたもので、特有のコクが出てきます。フランスの〈エシレ〉が有名ですが、国産の発酵バターもあります。

今回のおすすめはあのバター

僕がおすすめするのはこちらのバターです。

この続きは有料会員の方のみ
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

この連載について

初回を読む
樋口さん、どれがいちばんですか?

樋口直哉

包丁、まな板、鍋、フライパン、塩や醤油などの台所に欠かせない品々について、食の博識・樋口直哉さんがベストと思う一品を紹介します。なぜ、それがベストなのかという理由や選ぶときのポイントを解説するので、これを読めば迷わず納得してその品物を...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

Istvan_Crimson やったーカルピスバター https://t.co/Z7Uh4v1hwW 4ヶ月前 replyretweetfavorite

naoya_foodlab エシレもおいしいのですが、逆ベクトルの美味しさを持つバターをオススメしています。 4ヶ月前 replyretweetfavorite