ガッテン!』の終了が惜しい

2月2日に、27年にわたって放送されてきたNHKの情報番組『ガッテン!』が最終回を迎えました。その終了を惜しんで、武田砂鉄さんが『ガッテン!』の魅力について論じます。

忘れられない夜間頻尿特集

『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』(テレビ朝日系)、『バラエティー生活笑百科』(NHK)、『おかずのクッキング』(テレビ朝日系)など様々な長寿番組が終わってしまうが、2月2日、『ガッテン!』(NHK)が突如として終了したのは残念だった。終了が発表されたのが最終回の前週。この番組を見ながら健康状態をチェックしていた人の心身への負担が気になってしまう。1995年から続いてきた番組(2016年に番組名が『ためしてガッテン』から『ガッテン!』に変更)の終わり方としてはなかなか唐突だった。

NHKは2006年から2008年度にかけて、個別番組の制作費を公開しており、『ためしてガッテン』は1680万円だった。出演者が大勢いるわけではないし、豪華セットがあるわけではない番組の制作費としてはかなり高額だが、とにかく時間をかけて調べているし、調べた結果、使えなかったものも多かったのだろうと想像する。一昨年の夜間頻尿の特集では、高齢者と若者に、それぞれ同じ食事と同じ行動をしてもらって尿の出方を比較する、というあたかも人体実験のようなことを行い、夜間頻尿の原因のひとつにふくらはぎに溜まった水分があったとの展開を目にして、テレビの前でガッテンを繰り返した。

ハイスピードカメラで捉えたエビ

ウェブサイトに掲載されている番組終了の挨拶も、「『なぜカミソリ負けするのか?』…暮らしの中のそんな小さな疑問の裏にも、ちゃんと“科学”があり、ガッテンできる解決策がありました」とあり、番組の長い歴史をカミソリ負けに背負わせるあたりに番組の矜持を感じる。その回は見ていないのだが、誰かがそれなりに具体的にカミソリ負けする光景が思い浮かぶ。まずは試してみて、そうは簡単にうまくいかない、そこで生まれる微妙な空気をちゃんと言語化していく立川志の輔と小野文恵アナウンサーの快活さもまた見どころだった。

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武田砂鉄責任編集。多量記事で多角的に、「TBSラジオ」を物語る。

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ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

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コメント

akizo9 書かれていることに加えて、ゲストの山瀬まみさんや指原さんのトークの上手さも味わえる良い番組だったので寂しい 5ヶ月前 replyretweetfavorite