そもそもポン酢とはなにか?
この連載では様々な調味料を扱ってきました。今日のテーマである「ポン酢」は使用頻度こそ高くないけれど「意外と冷蔵庫には入っている……」という存在。
そもそもポン酢とは橙(だいだい)やすだちといった香酸柑橘類(甘みがなく、香りと酸味が強い柑橘)の絞り汁のこと。比較的新しい言葉でそれまでは橙の果汁は『橙酢』、柚子の果汁は『柚子酢』という具合に呼んでいましたが、ある時から総称して「ポン酢」と呼ぶようになりました。
ところでポン酢と聞くと、どちらの商品を思い浮かべますか?
右手の製品の『ぽん酢』は柑橘果汁に醸造酢をブレンドしたもの。塩や砂糖が入っていないので、レモンの代わりにフライ等にかけたり、炭酸で割ってもおいしいですし、焼酎を加えればサワーになります。
現在はポン酢=「ポン酢しょう油」を指すのが一般的に
左手はご存知、ポン酢業界のシェアNo1製品の『味ポン』です。味ポンはポン酢をベースにしょう油を加えた『ポン酢しょう油』というジャンルで、現在では『ポン酢』といえばこの『ポン酢しょう油』を指すのが一般的です。「ポン酢買ってきて」と頼まれたらたいていは『ポン酢しょう油』を買ってくれば大丈夫でしょう。
料理屋では薄造りなどにポン酢を添えますが、正直使う機会はそれほど多くなく、水炊きをはじめとした鍋料理屋さんの調味料というイメージ。全国的な知名度を獲得したのはやはりミツカンの「ポン酢」の影響が大きいでしょう。大根おろしを加えれば焼肉にもあいますし、餃子にも合います。変化した日本人の食生活にポン酢はぴったりマッチしたのです。
おすすめは手作りに近い味のポン酢
さて、スーパーに行くと様々なポン酢が並んでいますが、そのなかでも僕のおすすめはこちら。