​「いらっしゃいませ」と言う仕事の喜び

あけましておめでとうございます。今回の「ワイングラスのむこう側」は、新年最初ということで、林伸次さんの本業である「接客」という仕事について考えます。コロナ以降、お店はどのように変わっていくのでしょうか?

これから求められるお店のスタイル

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

以前、僕の友人が、イタリア旅行中にレコード屋に入ったら、まずカウンターがあって、その中にお店のご主人がいて、その後ろの棚にレコードがずらりと並んでいるお店だったそうです。「どうやって買うのかな」と思っていたら、「何を探しているの? どういうのが聞きたいの?」ってそのご主人が質問してきたそうなんです。

彼が、「ボサノヴァやジャズが好きなんですけど」って言ったら、そのご主人が何枚か棚から選んできて、「これなんかどう?」って言いながら聴かせてくれる、というスタイルだったそうです。

ちょっと面食らうけど、コミュニケーションが好きなイタリア人ならではかも知れないですね。「ああ、そういうお店も面白いな」と思いました。

例えば、本屋でも同じスタイルにして、その本屋のご主人が「どういう本を読みたいですか?」って質問して、「恋愛小説が読みたいんですけど」って答えると、「じゃあ、こんなのどうですか」って何冊か持ってきてもらったら、意外な出会いがあるかもしれませんよね。

先日妻が、ある服屋さんに行ったのですが、新型コロナの影響で入店制限があって、お客様1人にスタッフ1人がつくというスタイルだったそうです。もちろん好き嫌いはあると思いますが、そういうの、実はこれから求められるスタイルなのかもしれないと思いました。

僕、色んな仕事をしてきたのですが、一番向いているのが「いらっしゃいませ」って言う仕事なんです。

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林さんの小説が文庫化されました

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この連載について

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ワイングラスのむこう側

林伸次

東京・渋谷で16年、カウンターの向こうからバーに集う人たちの姿を見つめてきた、ワインバー「bar bossa(バールボッサ)」の店主・林伸次さん。バーを舞台に交差する人間模様。バーだから漏らしてしまう本音。ずっとカウンターに立ち続けて...もっと読む

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コメント

kanekoshoukai 好きな場所というニーズに合理性とかとは違う軸があるのかもしれない。 〉 7ヶ月前 replyretweetfavorite

kazubo1 「いらっしゃいませ」と言う仕事の喜び|林伸次 @bar_bossa | 7ヶ月前 replyretweetfavorite

datadisk_tokyo お店っていいな、と思います。人と人が接する場所。お気に入りのお店は、そんな所だな、と思いました:D 7ヶ月前 replyretweetfavorite

partager1975 「いらっしゃいませ」と言う仕事の喜び|林伸次 @bar_bossa | 7ヶ月前 replyretweetfavorite