※この記事の情報は、『週刊東洋経済』2019年9月9日発売当時のものです。
天皇も実物は見たことがない
歴史から見る「三種の神器」
2019年5月1日、皇居宮殿の中でも最も格の高い「松の間」で即位の礼の1つ「剣璽等承継(けんじとうしょうけい)の儀」が行われた。天皇陛下の前に置かれた台の上に、侍従が大・小の箱を安置し、新しい天皇に、「宝剣」と「神璽(しんじ)」が引き継がれた。
「三種の神器」のうち、残りの「神鏡(しんきょう)」は、剣璽等承継の儀と同時刻、宮中の「賢所(けんしょ)」にて宮中祭祀を担う神官による儀式が執り行われた。
三種の神器のルーツは、『古事記』『日本書紀』に記された神話(記紀神話)にさかのぼる。「天孫降臨神話」の中で、皇室の祖であるニニギノミコトが地上に降りる際に天照大神(あまてらすおおみかみ)から授けられたのが、「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」「八咫鏡(やたのかがみ)」「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」の3点セットである。
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