※牧村さんに聞いてみたいことやこの連載に対する感想がある方は、応募フォームを通じてお送りください! HN・匿名でもかまいません。/バナー写真撮影:田中舞 スタイリング:宮寺理美 ヘアメイク:世界のホリエ
「まあ、許してあげなよ。家族なんだからさ。子どもだったんだしさ」
って言われても済ませられない何かを、ずっと抱えた方へ。人生相談連載『ハッピーエンドに殺されない』、今回は「身内に対して抱えきれない感情を抱いている」という方からのご投稿です。
こんにちは、初めまして。 牧村さんの、人と人との間にある広くて深い河を「そこに在る」と認めた上で、それでも渡って行こうとするような、そんな誠実さと強さが滲み出ている文章が大好きです。いつも励まされて「私ももう少し頑張ってみよう、諦めないでいよう」と思えています。
それでもどうしても抱えきれない長年の悩みがあって、今回、思い切って投稿することにしました。たぶん牧村さんの「家族に自分の考えを押し付けてしまう」という記事とも関係があると思います(但し、押し付けられる側として)。
前置きが長くなりましたが、その悩みというのは、私の姉のことです。 私は特に思春期の頃から姉に苦しめられてきました。そのため、今でも姉が大の苦手です。嫌いよりも苦手です。私にとって「嫌い」は、怒りや瞬発力が混じった反射的な感情なのですが、「苦手」は忌避感を覚えるような、超頑張れば近づけるけどできれば一生近寄りたくないような、そんな根深い感情です。そのため、深刻に感じてしまいます。
例えば、休日に私が大好きなことを楽しんでいると、姉は「え、あんたそんなのが好きなの?何が楽しいの?」という言葉を投げつけました。他にも、私が身体的にコンプレックスを感じている部分をからかってきたり、大切にしていたモノを勝手に使った挙句紛失したり……。
また最近は、私の服装を「今のスタイルの方がいいんじゃない?可愛いんじゃない?」と言ってきます。中立に聞いたら深い意味はない言葉なんです。しかし、長年の言動を受けた私は「はいはい。自分好みの服装でいて欲しいっていうコントロール欲が丸見えだよ」と穿った見方をしてしまいます。こんな自分も怖いです。
姉は結婚して自ら築いた家庭でも、上記のような「ある種の甘え」を見せています。旦那さんに対して、妹である私でも驚くような鋭い言葉を投げつけたり……。
牧村さんに伺いたいのは、
①未だに割り切れない、長年のわだかまりを身内に抱いている場合、どう対処しますか?
②遠い所で私と関係なく幸せになってくれる分には全く構わないので、できれば一生関わりたくないのですが、近い将来に確定で会わなければいけない出来事がある場合、どう対応しますか?
③この姉妹の仲をなんとか取り持っていたのは母なのですが、その母も徐々に歳をとってきています。いずれ来る母が居なくなったその後の世界で、どのように姉と関わればいいのでしょうか?
こんなドロドロした悩みを身内に抱いていることは、どうしても周りの人に言えなくて、牧村さんに送ってしまいました。 こんなにどす黒い長文を、ここまで読んでくださってありがとうございます。
ご投稿、ありがとうございます。 整理のつかないお気持ちを、言葉で整理しようとなさった。理知的な方でいらっしゃるのだなという印象を受けました。
掲載にあたり、プライバシー保護のために伏せましたが、元の文章では、お姉さまに「そんなのが好きなの?」と言われたそのご趣味も、とても知的なものでした。
出来の良い理知的な妹。突っかかってしまう姉。間を取り持ってくれる優しい母。そしてさらにみじめになる姉……。そんな様子が浮かんできます。
わたしはこの文章を、この「姉」側にあたる人たちにも読んでいただきたいと思って掲載しました。