ごま油は上手に使い分けるのがコツ 料理のプロのおすすめは?

これまで揚げ油、オリーブオイルと紹介してきた「油」シリーズ。今回は炒め物や風味づけに便利なごま油です。料理家の樋口直哉さんがおすすめするごま油は2種類あるそうですが、どのように使い分けているのでしょうか。

炒め物や揚げ物、サラダのドレッシングまで、油は毎日の料理に欠かせない食材ですが、なるべくなら種類は絞りたいもの。僕が台所に常備しているのはこの連載でも紹介した「安価な植物油脂」と「オリーブオイル」、そして今回取り上げる「ごま油」の3種類です。

ごま油は風味がよく、料理に特有の風味とコクを与えてくれるので、便利な食材。いつものかきたま汁にごま油を少し垂らすだけで、アジア風の味付けになります。油は一滴で料理の国籍を変える強力な食材なのです。

ごま油は名前の通り、ごまから絞られた油脂。植物油脂のなかでもとりわけ加熱安定性に優れ、炒め物などの加熱調理にも向いている油です。

「ごま油なんてみんな同じやろ」

と思うのは早計。スーパーに行くと何種類かがごま油が並んでいますが、そのなかには「調合ごま油」と「純正ごま油」の2種類があります。

風味に差はなく、違いは加熱安定性

「調合ごま油」はごま油を60%以上とその他の油脂を配合したもので、比較的安価。写真、左側に陳列されている日清オイリオ「ヘルシーごま香油」や味の素「味の素 健康調合ごま油」などが代表的な商品。昔、ごま油が高価だった時代に重宝されましたが、昨年は巣篭もり需要の増加などもあり、よく売れたそう。

一方の「純正ごま油」はごま油100%なので、機会があれば食べ比べてみるのも面白いでしょう。生の状態で「調合ごま油」と「純正ごま油」を比較すると風味の差はそれほど感じないかもしれません。他の油脂がブレンドされている調合ごま油は風味が弱い気もしますが、そういう訳ではないのです。

その理由はごまの焙煎度合いにあります。実はごま油の風味は絞る前にどれくらいごまを焙煎したか、によって変わってきます。調合ごま油には薄めても風味が強くなるように強めに焙煎したごまが使われているので、薄めても風味を保っているのです。

一方、加熱をしてから比較すると「調合ごま油」の方が早くごまの風味が飛ぶのがわかります。ごま油の加熱安定性はごまに含まれる抗酸化物質(ゴマリグナン)による部分が大きく、薄めると効果が弱くなってしまうのです。この点を踏まえると財布に余裕があれば「純正ごま油」を選ぶのがベター。

料理のプロが使っているのはこれ

さて、僕がおすすめするごま油は2本あります。

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樋口さん、どれがいちばんですか?

樋口直哉

包丁、まな板、鍋、フライパン、塩や醤油などの台所に欠かせない品々について、食の博識・樋口直哉さんがベストと思う一品を紹介します。なぜ、それがベストなのかという理由や選ぶときのポイントを解説するので、これを読めば迷わず納得してその品物を...もっと読む

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