※この記事の情報は、『週刊東洋経済』2019年12月2日発売当時のものです。
イスラム教の創始者はムハンマド。現在のサウジアラビア・メッカ周辺に生まれた。40歳前後の610年ごろ、唯一神アッラーの啓示を受け、預言者としてイスラム教の布教を始めた。
当時のメッカは多神教信者が多く、ムハンマドとその信徒は迫害を受けた。そのため同じアラビア半島のメディナに移住。そこで信徒を増やした後、再びメッカに戻り、勢力を伸ばした。ムハンマドの存命中にイスラム教はアラビア半島全体に広がり、その死後、半島の外へも勢力を拡大していった。
聖典はクルアーン(コーラン)。アラビア語で書かれ、その元来の意味は「朗唱されるもの」だ。目で文字を追って読むのではなく、声に出して唱えるべきものとされる。神からの啓示がそのまま記されており、翻訳は許されず、そのため翻訳版はあくまでも注釈書と見なされる。内容は多岐にわたり、旧約聖書の物語と重なるものもある。
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