普段の料理が格段に美味しくなる胡椒の選び方
「塩、胡椒で味を整える」というのはレシピに高頻度で登場する文章。今日はもっとも身近な香辛料である胡椒について考えていきます。料理をおいしくするには技術が必要ですが、実際にはもっとかんたんな方法があります。その一つが普段使っている調味料を見直すことです。普段、使っている胡椒を見直すだけで、料理のレベルは格段に上がります。
まず、胡椒についての基礎知識から。胡椒はアジアから西側諸国へ最初に貿易されたスパイスの一つで、現在に至るまで特別な存在。一般的に入手できる胡椒には
黒こしょう
白こしょう
の2種類があります。この二つ、色は違いますが、どちらも同じ植物から作られるもの。どちらの辛味成分もピペリンという同じ物質に由来します。
黒こしょうは緑色をした成熟果を収穫し、1分ほど熱湯に通し、酵素による褐変反応を早めてから天日で乾燥させたもの。外皮が黒っぽいのは褐変反応によるものです。一般的には肉料理にあうとされていますが、実際にはあらゆる料理に使います。
白こしょうは収穫した成熟果を水に浸して発酵させ、外皮を取り除いてから乾燥させたもの。こちらは発酵させて皮を取り除くので、色が白いのが特徴。辛味は黒胡椒と同程度ですが、香りはほとんどありません。料理に色をつけないので、ホワイトソースや魚料理などの料理に向きます。
プロのキッチンでは黒胡椒と白胡椒の両方を揃えていますが、家庭ではどちらかに絞りたいところ。僕がおすすめするのは断然、香りの強い黒胡椒。プロのキッチンでは料理に黒い色が入るのを嫌がるので、白胡椒も必要なのですが、家庭ではそこまで見た目を気にする必要はない、というのがその理由です。