いよいよ食欲の秋。おいしいものがたくさんある季節ですが、とりわけ日本人にとってのご馳走が新米。今の時期は雑誌などでもご飯特集が組まれていますが、今日のテーマは『お米』です。
米の味は「淡白で特徴がない」と表現されますが「特徴はあるが表現が難しい」のが本当のところ。先日、ある雑誌で28種類の米をひたすら食べ比べ、点数をつける企画に参加しましたが、品種名や産地を目隠しした状態で食べると専門家でも判別は難しいようです。
「樋口さん、おすすめのお米は?」
というのは答えるのが難しい質問です。「結局は好み」という意見もありますが、多くの人は複数の米を食べ比べる機会などないので「どんなお米が好き」かもわかっていない、というのが実情ではないでしょうか。
極論をいえば日本のお米はどれもおいしいので「普段のお米がなんとなくおいしくない」という方はお米を選ぶ以前になにか問題があります。まずはこのあたりについて解説していきましょう。
お米は一ヶ月で使い切れる量を購入しよう
お米は野菜と同じ生鮮食品なので、賞味期限がありません。スーパーや通販で購入した米の袋には「精米年月日」や「精米時期」が表示されているので、古いよりは新しいものを選びましょう。袋の外側から中身が確認できれば、白い米は古くなった証拠なので、お米の色が半透明のものを選んでください。粒の大きさも揃っている米が望ましいです。
新しいほどおいしいのであれば、玄米を自分で精米すれば……と思うかもしれませんが、精米は技術がものをいう繊細な作業。お米屋さんは品種、産地、年による出来不出来などで、精米の加減を調整しています。田舎に行くと置かれているコイン式精米器などで適当に精米すると、おいしいお米には出会えません。
次に重要なのが保存です。買ってきたらまず「袋から中身を移す」のが重要です。
スーパーや通販で購入した米の袋には側面などに穴が空いています。これは積み上げた際に袋の中身が溢れるのを防ぐためなのですが、この袋に入れたままだと未開封でも劣化が進みやすいのです。なるべく早くジッパー付きの袋かペットボトルなどの密封できる容器に移し、冷蔵庫(野菜室でも可)で保存しましょう。上手に保存すれば一ヶ月はおいしさが保たれます。
つまり〈一ヶ月で使い切れる量を購入するのも大事〉ということ。ここまで気をつけてはじめてお米が選べますが、今回、僕がオススメするのはこちらです。